猫のおしっこが真っ赤な血尿になっている。飼い主としては本当にショックですし、心配でいてもたってもいられなくなりますよね。
血尿という症状はショッキングですが、早期に動物病院で適切な治療を受ければ十分回復できる症状です。逆に放置は絶対にいけません。命にかかわる事態に発展してしまうこともありえるからです。
血尿の原因
血尿の原因としては、膀胱炎や尿路結石といった猫下部尿路疾患(FLUTD)の可能性が高いです。
膀胱炎は、早い時期に治療すれば比較的すぐに治る病気です。怖いのは、尿路結石です。この病気で重大な症状が出るのは、多くの場合オスです。というのも、オスの尿道はもともと細長いうえ、先端がさらに細くなっていて結晶が詰まりやすいのです。メスの尿道は太くて短いため、結晶によってふさがれることはまずありません。
尿閉と呼ばれる完全に尿が出なくなった状態の場合、急性腎不全による尿毒症が起こり、嘔吐、ケイレン、不整脈の出現などでアッと言う間に亡くなってしまいます。どのような症状にも言えることですが、尿が出にくい、あるいは血尿の症状が現れたら一刻も早く動物病院に連れていってあげてください。
尿の中に結晶ができる理由とは?
1つ目の理由は尿の濃さです。猫は本来、乾燥地帯で生活する動物でした。水を頻繁に飲もうとはせず、体内で再利用する仕組みをもっているのです。そのため猫の尿は他の動物の尿よりも濃縮される傾向があります。
2つ目の理由は食餌です。ふつう猫の尿は弱酸性ですが、食餌の影響で尿がアルカリ性になると、尿中にストルバイトという結晶が作られます。この結晶が尿道に詰まったり膀胱を傷つけたりするのです。
ミネラル分(特にマグネシウム)の多いドライフードを多く食べさせると発症しやすくなります。カルシウムやリンなどのミネラルは、本来は子猫の歯や骨を強くする大切な栄養素なのですが、過ぎたるは及ばざるがごとしの典型ということですね。
猫の食餌をミネラル分(特にマグネシウム)の少ないものに替えるか、体が酸性になる食餌を与えるとかなりの確率で再発を防ぐことができます。
このような知識を持った上で獣医師とよく相談して、猫のために適切な食餌管理をしてあげてください。
尿路結石の治療費
尿路結石の動物病院での実際の治療費を調べてみました。
薬で散らせる程度の軽い症状だったなら、それほど多額になることはないようです。しかし、手術が必要になった場合には驚くほど高額な治療費がかかってしまいます。
- 「尿路結石で40万円」(26歳男性/東京都)
- 尿結石の手術、入院、薬代50万円」(27歳女性/滋賀県)
- 「尿結石の手術と入院代で80万円」(30歳男性/愛知県)
やはり猫のためにペット保険は必要だと思います。あなたはどう思われますか?
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える!ペット保険加入のメリット・デメリット」