猫が夜中に突然、弾丸のように走り回って、息が荒い状態になるのをよく見かけます。今でこそ寝てばかりの猫ですが、元々は狩猟動物だったのです。やはり夜、走り回るのは本能なのでしょう。
このように健康的な理由で息が荒くなるのは、もちろん心配する必要はありません。心配なのは病気やケガで呼吸が苦しそうにしている場合です。
このようなときは深刻な原因が考えられます。一刻も早く動物病院に連れていってあげてください。
息(呼吸)が荒いときのチェックポイント
- 舌を出しているか
舌をダラリと出してハアハアと苦しそうにしていれば、呼吸困難です。危険な状態です!すぐに動物病院へ連れていってあげてください。
- 体重はどうか
以前よりも体重が増えていないか、逆に減っていないかをチェック。
- どんなときに息が荒くなるか
走り回ったあと、ケンカや遊びで興奮したあとなどは健康でも息が荒くなります。ただし「少し動いただけで」、あるいは「いつも」息が荒くなるのは、何か病気が疑われます。
- 他に症状はあるか
息が荒くなる以外にも、発熱、食欲不振、体重の減少などの症状が無いかを見てあげましょう。熱があると多くの場合、息が荒くなります。
考えられる病気
- 心臓の病気
心臓が弱っていると息が荒くなります。猫の心臓の病気で多いのは心臓肥大型心疾患です。呼吸困難の他に、せきや運動能力の低下といった症状が見られます。
胸部にできた腫瘍が原因で、肺が膨らまなくなって呼吸困難がおこるケースです。
- 寄生虫症
大量のノミに寄生され、栄養不良や極度の貧血を起こすと、息が荒くなる場合があります。
- ウイルス感染症
猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスの感染が悪化すると、極度の貧血になって呼吸困難に陥る場合があります。
- 呼吸器の病気
猫の呼吸器の病気で多いのが気胸(ききょう)という病気です。また肺炎でも呼吸が荒くなったり呼吸困難が見られる場合があります。
- 外傷
肋骨を骨折すると呼吸器が圧迫されて呼吸がしにくくなります。
肥満になると心臓に負担がかかりますので、少しの動きでも息が荒くなります。
急に呼吸が速くなる、あるいは急に呼吸が遅くなるなど息苦しそうにしている。あるいはぜんそくのようにせきこむ。
万一こんな症状が見られたら、急性に悪化する深刻な病気が考えられます。すぐに動物病院で診断を受けてください。
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