猫のリンパ節に腫れ!悪性リンパ腫の可能性も

猫を膝の上で仰向けに抱っこして、全身を撫でてあげる。猫好きにとっては、まさに至福の時間ですよね。

この時に、ただ撫でてあげるだけではなく、「触診」を意識するのは大切なことです。猫の全身をくまなく触って、お腹やリンパ節などに腫れはしこりがないかチェックしてあげるのです。

リンパ節は体の至る所に存在しますが、外から触って分かりやすいものはあごの下、わきの下、後ろ足の付け根(そけい部)、膝の裏にある左右8個のリンパ節です。リンパ節の腫れしこりは重大な病気のサインの可能性もあります。

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リンパ節が腫れる原因は?

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猫のリンパ節が腫れる原因としては、次のようなことが考えられます。

  • ケガ
  • 感染症などの病気

例えば、前足にケガをすると、わきの下のリンパ節が腫れることがあります。猫風邪などの感染症にかかったり、歯周病や口内炎などの炎症がもとで、首(あごの下)のリンパ節が腫れることも。

このようにリンパ節は、体の外から細菌などの異物が侵入した時に、そこで細菌と戦って食い止める役割を果たしています。リンパ節が腫れる原因として、もっとも深刻なのが悪性リンパ腫ということになります。

リンパ球が腫瘍化してしまう悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは白血球の中で免疫をつかさどるリンパ球腫瘍化する、血液のがんの一種です。リンパ節の他、呼吸器、消化器、皮膚、眼球など、全身に発生する可能性があり、場所によって症状が異なります。

猫白血病ウイルスとの関連性がとても強く、猫では一番多く見られるがんと言われています。ただし猫白血病ウイルス以外の原因でも発症の可能性はあります。

リンパ球とは?

リンパ球は、白血球の一種で、免疫(防御システム)の役割を担当する血液細胞です。

身体にはリンパ管と呼ばれる細い管が網目のように張り巡らされています。その中にはリンパ液が流れています。身体に侵入した病原体の一部もリンパ液といっしょにリンパ管の中を流れていきますが、やがてリンパ節でせき止められます。(異物を血液に入れないようにする)

このようにリンパ節は病原体の侵入に関する情報が集まる「防衛基地」としての働きを持ち、リンパ管に沿って身体のあちこちに分布しています。

一方、リンパ球は血管を通じてリンパ節に到着し、リンパ節を見回ったのち、リンパ管を経てリンパ節を離れ、再び血液中にもどります。リンパ球は身体への病原体侵入の有無にかかわらず、いつもこのようにリンパ節と血液の間を繰り返し巡回し、病原体の侵入に備えているのです。そしていざリンパ節でせきとめられている病原体を発見したら、的確に攻撃して破壊します。

このようにリンパ球はもともと全身に分布していますので、悪性リンパ腫も全身様々なところ(肝臓や腸・皮膚・腎臓・胸の中など)に発生します。発生した場所によっておこる症状が異なり、また、治療への反応や経過も異なります。

治療方法と費用

以前から行われている治療は抗がん剤やステロイドを投与する薬物療法(=化学療法)です。実際のところ薬物療法以外には選択肢がなく、今でもスタンダードな治療とされています。抗がん剤は猫への副作用が大きいぶん、短時間でリンパ腫細胞を減少させます。うまく使っていけば強力な武器になります。

しかし、完治が難しく副作用などもあるため、信頼できる動物病院で長期の治療が必要になります。例えば1クール8週間の治療を受けて50万円以上の費用がかかった例もあります。

ちなみに私は家の猫を若くて元気なうちからペット保険に加入させています。もし、この猫が悪性リンパ腫にかかってしまったら50万円までは補償してもらえる、そういう保険に入って今から備えています。

最後に

病気で大切なのは早期発見、早期治療です。毎日のスキンシップを兼ねて、猫の全身をくまなく触ってあげましょう。(触診)

リンパ節は体の外から細菌などの異物が侵入した時に、そこで細菌と戦って食い止める役割を果たしています。リンパ節の腫れが病気発見の糸口になることも多いので、普段から気をつけて見てあげましょう。

少しでも腫れやシコリがあったら、迷わず動物病院へ連れていってあげてください。


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