頻繁にお尻を舐める猫がいます。体を折り曲げて、すごく無理な体勢をしてまで舐めているので、飼い主は几帳面な猫だなと思っていました。
しかしあまりにも頻繁にお尻ばかり舐めているので、さすがにおかしいと思い病院につれていったところ、肛門嚢炎(こうもんのうえん)と診断されました。
肛門嚢炎とは?
猫の肛門の左右には、肛門嚢という袋状の器官があります。肛門嚢の中には肛門腺があって、そこから強い臭いが出る液体を分泌します。この分泌物の臭いは猫ごとに違っていて、マーキングや猫同士のコミュニケーションに使われています。この肛門嚢が炎症を起こした状態が肛門嚢炎です。
最初は分泌液が肛門嚢の中に留まってしまい、放出されないことから始まります。滞留した分泌液の中で細菌が繁殖し、それを取り除くための免疫系が活性化して炎症が起こるのです。炎症というと何か悪いイメージがあるかもしれませんが、体の中から異物を追い出そうとする、すべての生物の防御システムなのです。
この状態が放置されると化膿してしまい、袋の中で作り出された膿(うみ)がどんどん溜まってしまいます。進行すると破裂したり腫瘍化したりといった、さらに悪い状態になっていきます。
お尻を床にこすり付けることも
肛門嚢炎にかかった猫は、お尻を頻繁に舐めるだけではなく、床にこすりつける動作をすることもあります。いずれにしても、早めに動物病院に連れて行ってあげてください。
またこれらの動作をするときに考えられる他の病気としては、サナダムシが寄生する条虫症や泌尿器の病気である膀胱炎なども考えられます。
まとめ
猫は排泄後にお尻を舐めてお手入れします。これ自体は普通のことですし、しない方がむしろ心配です。しかしそれも程度問題。排泄後のお手入れならすぐに終わります。あまりにも頻繁におしりばかり舐めるのでしたら、病気を疑った方が良いでしょう。お尻を床にこすり付けて歩くのでしたらなおさらですね。