「猫のお尻から出血が・・・・・」猫も痛いし、見ている飼い主も痛い!肛門嚢(こうもんのう)破裂という痛い病気のお話です。
肛門嚢破裂とは?
スカンクやイタチが肛門から強烈な臭いを発するのはよく知られています。敵を追い払ったり、マーキングに使ったり、動物の知恵なのですね。マーキングはご存知のように犬や猫にも見られる特徴です。
肛門の左右には肛門腺と呼ばれる臭腺が一対あり、この臭腺は袋状になっていて肛門嚢を形成しています。肛門嚢の中には悪臭を放つ分泌物がたまっています。その肛門嚢が炎症を起こすことを肛門嚢炎といいます。
また、炎症が進んで内部が化膿することを肛門嚢膿瘍といいます。さらにひどくなるとそこが破裂し、肛門の周りから出血をしているという、飼い主からみてもわかるレベルの症状が出ます。(肛門嚢破裂)
症状の進み方
肛門嚢炎を起こすと猫はしきりに尻を気にするようになります。肛門をなめたり、尻を床にこすりつけたりする動作を繰り返します。痛みがひどくなると、飼い主に尻をさわられるのをいやがり、元気が無くなり食欲不振に陥ることもあります。
肛門嚢膿瘍になると肛門のまわりが腫れてきます。ひどい痛みで猫は元気や食欲を失うことが多くなります。飼い主が症状に気づかないまま治療を受けず放置してしまうと、肛門嚢が破れ肛門の横に穴があきそこから血が混じった膿がでます。(肛門嚢破裂)
動物病院での治療
まずは肛門嚢の中の分泌物や膿汁を排泄してあげることが先決です。その後、内部を消毒して抗生物資や消炎剤を投与します。症状をくり返す場合は、外科的に肛門嚢摘出を行う事もあります。
肛門嚢の摘出手術を受ける猫が暴れないようにうつぶせになって、手術代に手足を固定されている画像がありました。可愛そうなんですけど迷惑そうな顔と相まって何ともユーモラスで、思わず笑ってしまいました。飼い主に大事にされて、動物病院で手術を受けさせてもらえる猫は幸せ者ですね。
肛門嚢破裂の治療を動物病院で受けたところ、2週間で26,000円ほどかかったという飼い主がいました。治療内容は手術ではなく、抗生物資と消毒の軟膏の処方のみです。たとえ手術のような大事でなくても、血液検査、点滴、診察料、薬代などで動物病院での治療はやはりお金がかかりますね。このようなときにペット保険はあなたの強い味方になります。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える!ペット保険加入のメリット・デメリット」