猫は寝ているとき、前後の足、顔、耳などをピクピク震わせますが、これはもちろん病気ではありません。病的な場合は、からだの一部が震えたあと、全身に痙攣が起きて意識を失う場合もあります。いわゆるてんかんと呼ばれる症状です。
いざ猫が、てんかんの症状に見舞われると飼い主はなかなか冷静ではいられないでしょう。普段から予備知識を持ち、備えておくことも必要だと思います。チェックポイントと原因をまとめました。
震えや痙攣を起こしたときのチェックポイント
- どんなときに震えるか
暑いところや炎天下で急に震えだしたら、まず熱中症を疑いましょう。命にかかわります!すぐ処置が必要です!
- 他に症状はあるか
吐く、下痢、発熱など、震え以外の症状はあるか。
- 何か悪いものを食べなかったか
毒物(殺虫剤、農薬など)を口にしたり、吸い込んだりすると中毒を起こして震えることもあります。
- すぐにおさまるか
神経に影響を及ぼす毒物を食べた場合などは、一過性でおさまることがありますが、念のために動物病院で診察を。
- 何か吐いていないか?
中毒の場合は、震えだけでなく吐くこともあります。
震えや痙攣を起こしたときの考えられる病気
- 脳神経の障害
猫の震え、痙攣は一般的に「てんかん」を呼ばれる病気です。脳の神経細胞に異常が生じることが原因です。脳自体ではなく他の病気が原因になっている場合もあります。
- 門脈の病気
門脈は体内の有毒物質を肝臓に送る働きをします。この門脈に異常があると有毒物質が全身にまわり、脳の神経細胞に異常が現れます。
脳の腫瘍が原因で脳神経細胞に異常が生じる。老猫に多い病気です。
- 腎臓の病気
腎不全を起こすと尿毒素が体内に回り、脳の神経細胞にも異常をきたします。震えの他に大量の水を飲んで大量の尿をするなどの症状があります。
- 頭部の外傷
頭を強く打って脳が損傷を受け、脳神経障害が現れる場合があります。
- 中毒
食べたり吸ったりした有毒物質が脳神経に影響を及ぼす場合です。嘔吐や下痢を併発することが多くあります。
- 栄養障害
低血糖や低カルシウムなどの栄養障害が原因で代謝異常が起こり脳神経に影響を及ぼす場合があります。
※栄養障害⇒特定の、あるいはいくつかの栄養素が不足したり、過剰になったりした状態。または、栄養素のバランスが崩れた状態のこと。
※代謝異常⇒私たちの体は、食事として糖質・脂肪・蛋白質・ビタミン・ミネラル・カルシウムを摂取し、これらの栄養素で体を構成して、その一部をエネルギーとして利用することで成り立っています。これら一連の代謝の異常で多くの病気が引き起こされます。その代表的なものが、肥満や糖尿病、脂質異常です。
まとめ
上記で例に挙げた病気で、飼い主が自宅で何とかできるものは一つもありません。すべてが命の危険に直結する病気ばかりです。
命の危険に直結する病気というのは、それだけ治療が難しいということです。それ相応の治療費もかかるでしょう。
猫が元気なうちからペット保険に加入して、病気に備えてみてはいかがでしょうか?