老猫の痙攣(けいれん)発作の症状は、軽度なものから重度なものまでさまざまです。
- 顔面などの体の一部分だけがピクピクと痙攣する
- 意識がなくなって倒れ、全身を強直させて痙攣を起こす
- あらぬ方向に疾走したりする
見ているのも辛い症状ですが、飼い主が家でしてあげられること、動物病院で診てもらえることを、調べてまとめました。
命にかかわる痙攣発作|てんかん
老化だけが原因ではありませんが、猫が年を取ってくると、突然てんかんのような痙攣発作に見舞われることがあります。
通常、発作は数秒から数分間続き、そして突然終了します。しかし、ときには痙攣発作を何度も何度も繰り返す場合があります。これを重積発作といいいます。
重積発作は放っておくと脳に深刻な障害を与え、場合によっては命にかかわることもあるため、あまりに長い時間続くようであれば緊急処置が必要です。
この緊急措置に関しては、後の項で書かせて頂きます。
痙攣発作の原因
猫の場合、原因が特定されない先天的なてんかん発作である「特発性てんかん」の発生率は、犬に比べて多くありません。
ケガや病気などによる脳の障害が原因で起こる「症候性てんかん」が主であると考えられています。
症候性てんかんの原因となりうる病気としては、脳炎や脳腫瘍のほか、肝不全による肝性脳症(肝臓の機能低下による意識障害)や、腎不全、猫伝染性腹膜炎(FIP)などのウイルス感染症が挙げられます。
飼い主が家で気を付けてあげられること
発作を起こした猫は、激しく痙攣したり、あらぬ方向に疾走したりとたいへん危険な状態になります。
ですから、あらかじめ部屋の中に、猫がぶつかってケガをするような角などがないか確認し、ケガ防止用に売っている角をカバーするスポンジの様なシールを貼っておいてあげましょう。
また寝床はケージの中に作ってあげたほうが安心です。発作を起こした時にケージにぶつかって痛い思いをしないように、ケージ内の四方にクッションとなるものを置いてあげてください。
失禁したときのために、床はペットシーツを敷いておくと安心です。
重積発作が続き、呼吸困難に陥いってしまう、あるいは呼吸すること自体が発作の原因になってしまうような場合は「酸素室」というものがあります。レンタルすることもできます。
できるだけ楽に酸素を吸える環境を作ってあげたいとお考えなら、検討なさるのも良いかもしれません。特に飼い主が家を留守にしていて、発作を起こしてしまう老猫だけで留守番の場合などは安心ですね。
動物病院での治療
発作の回数や程度をコントロールすることを目的に、抗てんかん薬の投与が行われます。また、症候性てんかんの場合、原因となっている病気が治療できるものであれば、その治療も行っていきます。
発作が5分以上続く時(重責発作)は命の危険があるので、緊急措置のための常備薬として座薬(肛門に適用する固形の外用剤)を処方してもらうことができます。
ジアゼパム(ダイアップ座薬)という抗てんかん剤です。動物病院で獣医さんに聞くと詳しく説明してくださるはずです。
痙攣発作を起こした猫を見ると、本当に辛くてどうしていいのか分からなくなってしまいます。
しかし、痙攣が収まると何事もなかったかのようにケロッとすることも多いものです。凄く難しいことではありますが、まずは飼い主が落ち着くことが大切です。
※てんかん発作の動物病院での治療費の実例はコチラを参考になさってください。
⇒ペットの治療費の事例集