トイレで排泄しようときばっているが、便秘気味で苦しんでいる。老猫になると、そういう場面も少しずつ増えてきます。
老猫の便秘は決して軽く考えてはいけません。普段から食事に気を配り、早めに獣医さんと相談しましょう。
老猫に多い慢性便秘
老猫になるとどうしても慢性的な便秘に悩まされることが多くなってきます。原因としては次のような事が考えられます。
- 腸の働きが衰える。
- 運動量の減少。
- 消化吸収能力の低下。
- きばる力が無い。
- 食事の量、水分、ビタミンの不足。
- 老齢になり動くのが億劫になってしまい、トイレに行くことを我慢しているうちに便秘気味になってしまう。
トイレに行って力んでも便(うんち)が出ないという症状は人間と同じです。時には少量のとても硬い便や少量の液体が出ることもあります。
次第に食欲が無くなり、嘔吐、腹痛、腰のふらつきや腹部のふくらみが見られるようになります。そしてひどくなると脱水症状を起こすこともあります。
予防と軽い症状のときの対策
普段の食事から気を付けてあげることが、老猫の便秘の予防と対策につながります。食事に食物繊維と穀類を少し多めに与えてあげることと、十分な水分を与えてあげることが大切です。
食物繊維は、例えば茹でたキャベツなどです。穀類は白米、食パン、うどんなどです。
茹でたキャベツは、すり鉢ですり潰してお気に入りのフードに混ぜてあげると食べやすくなります。お米やパンは猫用ミルクに付けて柔らかくしてあげると良いです。もちろんすり潰すのも良い方法です。
「水飲み場」を1箇所に決めずに家中複数に作ってあげたり、ウェットフードを与えたりして水分補給も意識してあげましょう。
またフードにオリーブオイルを少し混ぜたり、バターを少しだけ舐めさせるのも効果があります。油は便を滑りやすくして、繊維質は便と便をつなげる役割があります。
運動代わりに、腹部のマッサージやブラッシングなどをしてあげると、新陳代謝を高める効果があります。
人間用の飲料ですが、ヤクルトやヤクルトミルミルは老猫の便秘にかなりの効果を発揮します。ただし与えすぎると糖分過多と下痢の心配が出てきますので少量ずつ試してあげてください。
症状が重い場合
力んでもウンチが硬くて、肛門からちょっとのぞいて出てこないというような重い症状の場合もあります。そんな時は、肛門を優しくティッシュなどで叩いて刺激してあげましょう。
それでもダメなら、ベビーオイルを薄めて肛門の周辺に塗り、ウンチをつまんで引っ張ってあげると取れることもあります。
ただ、このような事が何回も続いたり、またあまり何日も(4日~5日)排泄しないということであれば、動物病院で診てもらって穏やかな下剤などを処方してもらうなどしてあげてください。自己判断での浣腸などは危険です。必ず動物病院で獣医の指示に従いましょう。
老猫の便秘は決して軽視できない症状です。腎不全や巨大結腸症など重い病気が原因の場合もあり得ます。普段から食事に気を付けてあげることはもちろん、いつでも相談できるかかりつけの獣医さんを見つけておきましょう。
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