猫の唇からあごの下にかけて、黒いカスのような汚れが付いていることがあります。いわゆるあごニキビと言われるものですね。
若いヤンチャな猫に少しできているくらいなら別に心配いりませんが、高齢で元気がない猫にたくさんできているとなると、いささか心配です。
猫のあごニキビとは?
猫は皮膚の乾燥やかぶれなどを防ぐために、脂腺から皮脂を分泌しています。この皮脂があごの毛穴に詰まるのがニキビの始まり。人間と一緒ですね。
猫はあごの部分を自分で舐めてきれいにすることができません。そのくせ食事をすると、必ず汚れてしまう部分でもあります。皮脂だけでなく、食事のあとに残ったヨダレやゴミなども毛穴に詰まり、そこにバクテリアが繁殖して大事になっていくのです。
猫ニキビは多くの場合、軽症で命に関わるようなものではありません。しかし放置してまうと、猫が違和感やかゆみから爪でかきむしるケースもあります。
そうすると傷から出血したり、ばい菌が入ったりとどんどん悪循環にハマっていきます。結果として激しい炎症を起こしたり膿を持ったりして、痛々しいケガにつながることもあるのです。
やはり早め早めに処置してあげなくてはいけません。
原因と対策
容器が原因
結構盲点なのですが、食事のときに餌を入れる容器がニキビの原因になっていることがあります。
例えばプラスチックの容器には目に見えないミクロの穴がたくさん開いているのですが、そこにバクテリアが繁殖しやすいのです。食事のときに、あごの下にバクテリアが付着する原因になり得るわけです。
飼い主が食器を洗わなかったり水を交換しなかったりと、不衛生にしているとバクテリアは増え放題。猫の食事環境をいつも清潔に保ってあげることがすごく大切ですね。また猫によってはプラスチックや金属自体にアレルギー反応を起こす場合もあります。
ニキビ対策としては、餌を入れる容器をいつもキレイに清潔にしてあげるのはもちろん、容器自体を取り換えるのもひとつの方法です。
プラスチックの容器のミクロの穴に繁殖したバクテリアが原因なら、金属性の容器に変えれば改善する可能性があります。また、猫が金属にアレルギー反応を起こしているのなら、陶器の容器に変えてあげれば改善するかもしれません。
食べ物が原因
もちろん容器ではなく食べ物自体が原因の場合もあります。例えばエサに含まれている特定の成分が、皮脂の分泌を過剰にしていることも考えられます。
現在使用しているキャットフードの主成分(パッケージの成分表示で先頭に来るもの)が「穀物」や「コーン」となっているなら、もう少し肉や魚を多く使ったたんぱく質の多いフードに変えると改善する可能性があります。
また、食べ物そのものに対する食品アレルギーということももちろん考えられます。
こうなってくると素人で判断するのは無理。動物病院で診てもらって獣医の指示を聞くしかありません。
ニキビダニが原因
ニキビダニは毛包虫(もうほうちゅう)とも呼ばれ、バクテリアよりもずっと大きく、猫の顔に寄生しているダニの一種です。このニキビダニによって引き起こされた炎症が猫ニキビの原因である可能性もあります。
しかしこれは動物病院で診てもらって初めてわかること。処方してもらったダニ除け薬などを使って改善していくしかありません。
猫ニキビの取り方
歯ブラシや歯間ブラシを使うと効果的という話をよく聞きますが、地肌を強くこするのは絶対逆効果です。刺激でかえって酷くなる場合も考えられます。
水やぬるま湯で湿らせたガーゼやティッシュで、優しく拭き取ってあげるのが良いですね。乾燥して取りにくいなら、水を多めに含ませて拭くと柔らかくなって取りやすいです。
ひとつ注意点としては、拭いた後は濡れたまま放置してはダメです。乾いたタオルで、水分をしっかり拭き取って乾かすことを忘れずに。
人間でもニキビができる時って、体調が悪かったり精神的に不安定だったりするじゃないですか。
猫ニキビももしかしたら、免疫力が落ちてるサインということもありますので、ニキビを取っておしまいではなく、注意して体調を見るようにしてあげたいですね。