猫がなんらかの原因でケガをしてしまい、多量に出血していたら、大急ぎで止血しないと生命が危険です。というのも、猫の血液の量は体重の約6パーセントしかないからです。
抱くとドッシリとした重さを感じることができる体重5キロの成猫でも、血液の量はわずかに300ccしかありません。300ccといえば、コップ2杯程度の量にすぎません。
このことからもわかるように、猫が出血している場合は一刻もはやく止血の応急手当をしてあげないと、亡くなってしまう危険があります。
自宅で応急手当が可能な場合
次のように出血部位が確認できる外傷の場合は、飼い主が自宅で止血の応急手当をしてあげましょう。一刻も早い処置が必要です。動物病院に連れて行く前に適切な応急手当ができるように普段から備えておきましょう。
- 爪を切ろうとして深く切りすぎてしまい、爪の先から出血してしまった場合。
- とがったものを踏んで肉球を傷つけてしまった場合。肉球を切ると多量の出血をします。
- けんかをして、噛み傷を負ってしまった場合。
止血の方法
止血の基本は圧迫です。
- まず出血している部位を確認します。毛の下にある傷は分かりにくいため、よく掻き分けて出血部位を確認します。
- 血が出ているところに清潔なガーゼまたは脱脂綿を厚めにあてます。
- もし押えているガーゼが血をいっぱいに吸ってしまったら、その上にさらに新しいガーゼを重ねます。その際、ガーゼを頻繁に取り替えたり、ガーゼで傷口をこすったりしてはいけません。
- 足や胴体のように包帯が巻ける場所であれば、その上から包帯をややきつめに巻いて固定したほうが効果的です。
血が止まりにくい場合の対処法
血が止まりにくい場合は次のように対処します。
- 手やしっぽからの出血で血が止まりにくい場合は、傷口から心臓に近い部位の血管を押えて止血します。
- 傷口のすぐ上(心臓に近い場所)を手で握るか、包帯で軽く縛ります。
- 2分おきくらいに少し緩めてみて、血が止まっているかどうかを確認し、必要以上に血行を遮断しないようにします。
自宅での応急手当が済んだら、出血部位を押えながら、なるべく早く動物病院に連れていってあげてください。軽症の場合は消毒と抗生物質の投与、重症の場合は麻酔下での縫合、場合によっては皮膚の移植が施されることもあります。
血を見ただけで動転してしまうかもしれませんが、飼い主冷静な対応がその後の猫の状態を左右します。応急手当の方法は普段から頭に入れておき、いざというときに使えるようにしておきましょう。
参考>>ペットの治療費の事例集