「猫はこたつで丸くなる」という歌があります。確かに猫は寒がりな動物です。暖かいこたつの中でヌクヌク過ごしている様子は、幸せそうで微笑ましいですよね。
しかし、猫が長時間こたつに入りっぱなしだと、思わぬ危険に陥るケースがあることをご存知ですか?飼い主として、ぜひ知っておいてください。
思わぬ危険が!
こたつに潜む危険をいくつかあげていきます。
目に悪い
こたつに使われている赤外線ランプは、猫の目に悪い影響を与えます。ほとんどの猫は、こたつの中では目をつぶっているので、大丈夫なのですが、中には好奇心旺盛な猫もいます。赤外線ランプを「おもしろい」と感じて、長時間見続けてしまうと、失明してしまう危険性まであるのです。
低温やけどや脱水
低温やけどとは、体温よりも少し高めの温度のものに(44℃~50℃程度)長時間触れ続けることによって起こるやけどです。
症状が見た目にはわかりにくかったり、痛みを感じにくいことがあるので、軽傷と勘違いしてしまいがちですが、放置すると皮膚病につながる危険もありますので注意が必要です。
また、長時間こたつに入りっぱなしだと脱水症状になっている場合があります。出てきたらすぐに水が飲めるようにしておいてあげてください。
熱中症
熱中症といえば、うだるような暑さの夏に起こるイメージですよね。しかし、寒い冬でもこたつの中という密閉された空間なら、同じ症状が起こる可能性があります。
猫は人間に比べて汗腺が少なく、汗をかくことによって体温を下げるということができません。体温が急激に上昇してしまうと、それを下げることが難しくなります。
こたつから出てきた猫が、ハアハアと息があがったようになっているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか?自力で出てこれたから良かったものの、もしそうでなければ大きな事故につながっていた可能性もあった訳です。
こたつに危険が潜んでいる、という意味がおわかりいただけると思います。
酸欠
猫がこたつに入り、不幸にもそのまま亡くなってしまうという事故で、もっとも多い原因が酸欠です。もちろん、猫も密閉されたこたつの中で酸素が少なくなり息苦しければ、外に出ます。問題は自力で外に出ることができないケースです。
例えば
- 熟睡していて、酸欠に気が付かない。
- 体力が低い高齢猫。
不幸な事故を防ぐためには、飼い主が猫がこたつに入った時間を把握していて、なかなか出てこなければ外に出してあげる必要があります。
しかし、実際問題として、猫はいつの間にかこたつに入っていることが多いので、対策はなかなか難しいですよね。
飼い主自身がこたつの危険性を認識して、猫の命を守ってあげるしかありません。もちろん猫を飼っているのなら、こたつは使わない、という選択肢もあります。私ならそうします。
火災の原因になる
余談になりますが、こたつが原因の火災事故は2005~2009年の5年間で、実に179件もあったそうです。同時期に999件あった電気ストーブの事故に比べれば少ないものの、想像以上の多さだと思います。27人の方が犠牲になられたとのことです。
原因としては、洗濯物などの衣類を乾かそうとこたつの中に詰め込むと、衣類がヒーターカバーに当たって次第に熱を持ち、発火に至る可能性があるそうです。
また、コードが断線して発火というケースも。猫がコードを噛むというのも原因になり得ます。感電の危険もあります。
こたつに限ったことではありませんが、つけっぱなしで外出するようなことがないように気を付けなくてはいけませんね。