私は以前、超が付くほどのヘビースモーカーでした。タバコは年齢と共に本数がどんどん増えていくものです。1日に2箱は当たり前、ついには3箱に届こうか、というくらいタバコが手放せませんでした。禁煙したいと思えば思うほどに、逆にストレスで本数が増えてしまうという悪循環。
3年ほど前に、十二指腸潰瘍にかかってしまい2週間ほど入院しました。それがちょうど病気の治療と同時に禁煙治療の役割も果たしてくれて、まさに「怪我の功名」でタバコをやめることができました。
タバコをやめて、つくづくタバコを吸うことが、どれだけ自分のまわりに悪い影響を及ぼしていたのかが分かりました。
タバコの煙の害、ニコチンの害。
ご存知のようにタバコの副流煙は自分では吸っていない周りの人にも受動喫煙という形で害を及ぼします。それは猫にとっても同じことですよね。
タバコが猫に与える影響
「タバコを吸う家庭の猫はタバコを吸わない家庭の猫に比べ平均2.4倍リンパ腫にかかる可能性が高い」という研究データがあります。そしてその危険性は喫煙期間、タバコの本数、喫煙者の数に比例したということです。
猫は副流煙による受動喫煙だけでなく、毛についたタバコの粒子を舐めとることで発癌物質を口からも摂取してしまいます。また室内飼いの猫は外出しない分、人間よりも受動喫煙の量も多くなります。タバコの影響で、猫の消化管に発生するリンパ腫や口腔内扁平上皮癌の発生率が高まるのです。
吸い殻が大量にたまった灰皿が落下。運悪く猫にそれがかかってしまった場合など、大量の灰を毛づくろいで舐めてしまうことになります。そうなるとニコチンが原因で嘔吐や震え、呼吸困難に陥ってしまい、最悪亡くなってしまう危険まであるのです!
ただタバコを吸う人間はこういったことに気が付かないのではなく、気が付かないふりをしてしまうんですよね。そんなに大げさに騒ぐことではない、と思ってしまう。それがニコチン中毒ということなんですね。
私はタバコを吸うことの気持ち良さも、やめることのむずかしさも痛いほど知っています。ですから、喫煙者の方を否定するような考えはまったく持っていません。
ただ猫が家にいるのなら、せめて家ではタバコを我慢してもらいたいと思う訳です。案外、「猫のために」という気持ちが、禁煙の動機やモチベーションになるかもしれません。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える!ペット保険加入のメリット・デメリット」