天気の良い日に窓際で日なたぼっこをしている猫の目は、瞳孔が細く小さくなり綺麗に光っています。とても美しい猫の目。目の色も猫によってさまざまです。目の色の種類、なぜいろんな色があるのかなど、猫の目の綺麗の秘密を調べてみました。
虹彩と瞳孔の仕組み
眼球の色がついている部分を虹彩(こうさい)、その真ん中にある黒目と呼ばれている部分を瞳孔(どうこう)と言います。猫の目を見ていると、明るいところでは光の量を減らすために瞳孔は細く小さくなり、暗いところではより多くの光を必要とするために瞳孔は丸く大きくなりますよね。あれは実際には、虹彩が伸びたり縮んだりして光の量を調節しているのです。
虹彩はカメラの絞りの役割を果たしています。猫の「目の色」というときは、この虹彩の色を指します。
目の色の種類
猫の目の色の呼び方や分類は、これと一つに決められたものはありません。おおまかにいうと、次の6パターンの色に分けることができます。
- カッパー
- オレンジ
- ゴールド(イエロー)
- ヘーゼル
- グリーン
- ブルー
カッパーとは銅色という意味で、赤っぽく見えたり10円玉の色みたいに見えたりする色のことです。オレンジはカッパーとゴールドの中間色。ゴールドは強い黄色に見える目の色で、一番猫らしいイメージと言えます。緑色が入らず黄色1色の単色なのが特徴です。
ヘーゼルは外側から内側にかけて、黄色から緑のグラデーションになっている種類です。黄色と緑が混ざり合って黄緑色になるのではなく、黄色と緑の2色入るのが特徴です。グリーンは黄色が入らずに緑1色です。そして青1色のブルーがあります。
なお片目だけブルーの場合、オッドアイと呼ばれます。オッドアイの猫は、片目は必ずブルーになり、もう片方の目にそれ以外の色が現れます。
どうしていろんな色があるの?
猫も人間も目の色は、虹彩に含まれるメラニン色素の量によって左右されます。カッパーが一番メラニン色素が多く、オレンジ、ゴールド、ヘーゼル、グリーン、ブルーの順に色素は少なくなっていきます。虹彩にまったくメラニン色素がない猫もいますが、目の色は透明ではなくブルーになります。
メラニン色素は、有害な紫外線から体を守る役目を持っている色素です。猫の祖先はリビアヤマネコといって、暑い砂漠地方に住んでいました。太陽の光が強いので、メラニン色素が大量に虹彩に蓄積されます。その結果、カッパー寄りの目の色が多い傾向があり、青い目の猫はいませんでした。逆に近年の飼い猫の中にブルーの目を持つ猫が生まれて、目の色がより多彩になった訳です。
毛柄と目の色って関係あるの?
結論からいうと、あまり関係ありません。ほとんどの毛柄でいろんな目の色が見られます。ただし、遺伝子の働きで目の色が決まっていたり、関係性がうかがえる毛柄もあります。
目の色が決まっている毛柄は「ポインテッド」。いわゆるシャム猫ですね。ポインテッドの猫は、顔の中心や耳の先、足の先、しっぽなどの体温が低い部分だけ色が濃くなります。遺伝子の働きで必ず目の色はブルーになります。
また白猫や部分的に白い毛がある猫は、色を打ち消す働きのS遺伝子というのを持っています。これが目に作用した場合、色素がなくなり青い目になることがあります。S遺伝子が片目に作用したらオッドアイになるという訳ですね。
キトゥンブルー
猫種にかかわらず、猫はみんな生まれたてはブルーの目です。これをキトゥンブルーと言います。メラニン色素が虹彩に蓄積されるには、生まれてからしばらく時間がかかるために起きる現象です。
目の色は急に変わるわけではなく、キトゥンブルーの状態から少しずつ時間をかけて変化し、だいたい8カ月くらいで色が定まっていきます。