「猫のどこが好き?」と聞かれて「肉球!」と答える人は凄く多いですね。「うーん、わかる、わかる!」と共感するあなたも、やっぱり猫好きですね♪
あのプニプニした感じがたまらない!
ずっと触っていたい!
私もそう思います。そんな可愛らしい肉球が痛々しく腫れあがってしまう病気があります。
肉球皮膚炎とは?
肉球に炎症が起こり、むくんだり潰瘍を起こした状態を肉球皮膚炎と言います。肉球の表面に免疫細胞の一種である形質細胞が多く見出されることから、形質細胞性皮膚炎と呼ばれることもあります。
初期症状としては肉球が柔らかく腫れてきますが、かゆみや痛みを伴うものではありません。
しかし、症状が悪化すると腫れていた肉球が次第にしぼみ、肉球に潰瘍が発生して膿が溜まり、痛みを伴うようになります。
足を引きずるように歩いたり、歩くのを嫌がるといった症状もでてきます。潰瘍が酷くなると、膿が出て、肉球が破裂したようになって出血をします。傷口から細菌やウイルスが感染してしまうこともあります。また体のリンパ節が腫れてくる場合もあります。
原因は?
なぜこのような病気が発生するのかは、実はわかっていません。いったん症状が治まっても、特定の季節になると再発してしまう猫もいます。何らかのアレルゲン(アレルギーを引き起こすきっかけ)に対する免疫反応の一種ではないかと推測されます。
アメリカでの症例ですが、肉球皮膚炎になった猫の50%は、FIV(猫後天性免疫不全ウイルス)陽性だったとの報告があります。免疫疾患や免疫不全である猫に多い病気だとも推測されています。
治療法は?
この肉球皮膚炎の治療法は、確実なものがないといわれています。原因が分かっていない以上、疾患の原因を取り除くよりも、症状の軽減を目的とした対症療法が施されます。
副腎皮質ホルモン薬(ステロイドや抗ヒスタミン剤)を投与して、肉球の炎症を抑えるのですが、抗生物質の中でも、免疫系に調整作用をもっている「ドキシサイクリン」が、とても効果的な場合があるといわれています。
肉球に膿を持った潰瘍ができているときは、外科手術が必要になることもあります。
診察料の例
この飼い主の猫は
- 右前足の肉球がパンパンに腫れて皮がめくれて身が見えている。
- 左後ろ足も、同じように少し腫れている。
という症状でした。
病院に連れて行ったら、肉球から細胞を取って調べてみないとはっきりしたことが言えないと言われました。血液検査で猫エイズ、白血病、肝臓などを調べて薬代を含めて全部で10,000円以上診察料がかかりました。
原因や特定の病名がはっきりわからない場合、あらゆる検査をしてその結果からの推測となります。
この場合、肉球皮膚炎を疑うならば、免疫機能異常が原因との推測も成り立ちますから、猫エイズや白血病の検査をするのも妥当と言えます。初診料、血液検査費用、薬代となると、病院によってはもっと高い額を請求されてもおかしくない内容だと思います。