猫が頻繁にトイレに行くのにオシッコが出ない。苦しそうにトイレでうずくまっている。痛がって鳴く。もしこのような症状が見られたら、たいへん危険な状態です。
2日以上、オシッコが出ない状況が続けば、命に関わります。一刻も早く動物病院に連れて行ってあげてください。
オシッコの通り道に石が詰まってしまう
「結石」という言葉を聞かれたことがあると思います。人間でも起こる症状で、オシッコの通り道に石が詰まってしまい、「七転八倒の苦しみ」とか「想像できない痛み」と表現されるほどです。突然の激痛に、あわてて救急車を呼ぶことも少なくありません。
痛みの直接の原因は結石が尿管に詰まり、尿の圧力が高まって尿管がけいれんを起こし、神経を刺激してしまうからです。
また、尿がスムーズに流れなくなるため、排尿後も残尿感があったり、トイレに行ってもなかなか出ないといった不快な症状にも悩まされます。さらに、結石が尿管などの壁を傷つけると、血尿が出ることもあります。
人間にも起こるこの病気は、猫にも、特にオスの猫に、とてもよく見られるのです。人間ならば自分で病院に行ったり、救急車を呼んだりできますが、猫は私たち飼い主が助けてあげなければ、黙って痛みや苦しみに耐えるしかありません。
一刻も早く動物病院に連れていってあげましょう。
動物病院での治療
軽度の場合は、結石を溶かす薬や療法食を使います。
オシッコの通り道に結石が詰まっている場合は、尿道から管を入れて洗浄し、詰まっている結石を流しだします。もっと奥の膀胱や腎臓に大きな石がある場合は、手術で取り除くこともあります。
また、オスで再発を繰り返す場合には、尿道を短くする手術を行うこともあります。
私の友人の猫がこの病気にかかり、動物病院での治療に50万円かかったと言っていました。病気になる前にペット保険で備えておきたい、典型的なケースになります。
再発防止のために
結石は再発しやすい病気です。獣医師の指導のもとで、pHコントロール用の療法食を与えたり、薬やサプリメントなどでケアして上がることが大切です。
また、水を十分に飲めるように工夫したり、肥満に気を付けてあげることも再発防止につながります。