猫の柄は、じつに多彩で、見ているだけで楽しい気分になってきますよね。
虎のような縞模様が入っていたり、黒1色だったり、小さなブチが顔や背中に入っていたり。親子でも兄弟でも、まったく違う毛の色や模様になる場合もあります。
このページでは、いろいろな猫の柄ができる理由や、柄の種類などを調べてみました。
キーワードは遺伝子!
猫の祖先は、アフリカの砂漠地帯で暮らしていたリビアヤマネコという野生のヤマネコです。リビアヤマネコは「キジトラ柄」と呼ばれる黒と茶色のしま模様でした。このキジトラ柄こそが全ての猫の柄のルーツなのです。
キジトラ柄の遺伝子が世界各地で突然変異して、新しい毛色や模様が生まれていきました。例えば、茶色や黒などの毛色、ミケ柄やサビ柄といった模様ですね。
猫たちの柄が多彩なのは、たくさんの遺伝子が複雑に絡み合いながら増えていった結果なのです。
親兄弟でも違う毛色に!
猫の柄は遺伝と密接な関係があります。つまり父猫と母猫が持っている遺伝子の種類に左右される訳です。
遺伝子には、次世代に必ず受け継がれる「優性遺伝子」と、孫の世代以降に受け継がれる可能性がある「劣性遺伝子」があります。ですから、親猫と同じ柄が続くこともあれば、さかのぼって何代か前の柄が突然出てきたりもします。
有名な「メンデルの遺伝の法則」によると、孫の代には1/4の確立で親には見られない柄が出てくると言われています。
代表的な猫の柄
この章では、私たちがよく目にする代表的な猫の柄を見ていきますね。ちなみに私の家の猫たちも、全員この中に入っています。(笑)
トラ柄
トラ柄の特徴は、背骨の沿って伸びる太い線を中心に、左右同じように細いしま模様が入ります。足にも尻尾にも輪っか状のしましまラインが入っています。
黒と茶色のしま模様であるキジトラ柄が基本です。すべての猫の柄の基本になるのは、キジトラ柄なのです。
このキジトラ柄の遺伝子に「オレンジの毛色を作る」遺伝子が加わると茶トラ柄、「シルバーの毛色を作る」遺伝子が加わるとサバトラ柄になります。
また、これらのトラ柄に部分的に「白の毛色を作る」遺伝子が混じると、キジトラ白、茶トラ白(ほとんどが白だと白茶トラ)、サバトラ白と呼ばれる柄になる訳です。
茶トラに「毛色を薄める遺伝子」が混じると、クリームと呼ばれる淡い色の茶トラ柄になります。
単色柄
単色柄とは、全身が黒、白、グレーなどの1色だけの柄のことですね。「ソリッドカラー」とも呼ばれます。
猫は本来、「アグーティ」という毛の1本1本に模様を作る遺伝子を持っています。そのアグーティの働きを抑える遺伝子が入ると、単色柄になる訳です。
「白い毛色を作る」遺伝子が入ると白、「黒い毛色を作る」遺伝子が入ると黒、さらに黒に「毛色を薄める遺伝子」が加わるとグレーになる訳です。
組み合わせ柄
2つから3つの毛色が合わさってできる柄のことです。代表的な組み合わせ柄は
- 黒・白柄
- サビ柄(黒とオレンジ)
- ミケ柄(黒とオレンジと白)
の3パターンになります。
「黒い毛色を作る遺伝子」が基本にあります。これに、「白の毛色を作る」遺伝子が混じると黒・白柄、「オレンジの毛色を作る」遺伝子が加わるとサビ柄、サビ柄に「白の毛色を作る」遺伝子が混じるとミケ柄になる訳です。
黒・白柄の毛色が薄まると、グレー・白柄になりますし、ミケ柄で白い毛色の割合が多くなると体のあちこちがブチになる飛びミケになります。
ポイント柄
「シャム」に代表される、顔の中心や足の先の毛色が濃い種類の柄をポイントと言います。毛の色と目の色の関係はまだ不明な点が多いのですが、ポイントの猫は青い目になりやすいようです。
いかがでしたでしょうか?私の家の5匹の猫たちは全員上記の柄に当てはまりました。
茶トラ、茶トラ白、黒、キジトラ2匹です。(笑)
あなたの猫はいかがでしょうか?
【参考記事】
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」