私の家のレンは4歳で、もう決して子猫ではないのですが、前足の先を交互にこねるように動かす通称「ふみふみ行動」が治りません。リラックスしているときに、お気に入りの毛布の上や、私の膝の上などで、ゴロゴロ言いながらふみふみします。
このふみふみ行動の意味を調べました。
母猫を思い出している
最初に考えられる理由は、「母猫を思い出している」です。
子猫は生後10週間から11週間まで、母親のお乳を吸います。その際、ふみふみ行動をすることによって、母猫の乳房に刺激を与えて、母乳の分泌を促します。
離乳の時期が来ると、子猫がお乳をせがんでも、母猫は猫パンチをしたり激しい鳴き声で威嚇したりして、お乳が出ないことを伝えます。この母猫の行動によって、子猫はお乳がもうもらえないことを認識し、離乳食へと移行していきます。つまり、親離れへの第一歩を踏み出したわけです。
早期に母猫と離された子猫は、離乳の時期より前に強制的に離乳させられたので、授乳に対して未練が残り完全に決別できていません。母猫を思い起こさせる飼い主や、自分が安心できる毛布などに対して、このふみふみ行動を行い、母猫に甘えることができた幼猫時代の幸せな気分を味わっているのです。
また、猫の肉球には、猫特有のにおいを発する臭腺が多く集まっています。飼い主の体や、お気に入りの毛布をふみふみして、自分のにおいを付けて安心したい、という気持ちもあります。いずれにしても、甘えた気持ちになっているのは間違いありません。
ふみふみ行動の問題点
大人になっても、ふみふみ行動が直らないというのは、小学校の高学年になっても指をしゃぶる癖が直らない子供のようなものです。人間の子供なら「ちょっと問題だな」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、猫の場合は、赤ちゃんのときの気分に戻って、幸せな甘えた気分に浸っているだけですので、無理にやめさせる必要はありません。
ただし、この行動が高じて、猫が布を食べてしまうようなことがあれば、やめさせなくてはいけません。「ウールサッキング」と呼ばれる症状です。
食べた布が便といっしょに出てくれば良いですが、腸に詰まってしまうと命にかかわるような事態になりかねません。飼い主が、気をつけて見てあげなくてはいけませんね。