私たちは国民健康保険に加入しています。ですから病院を利用したとき、窓口で保険証を提示して、医療費の3割を支払えば済みます。
これと同じように窓口清算が可能なペット保険は、アニコム損保とアイペットになります。
アニコムとアイペットの比較
一般的にペット保険で保険料を請求する場合、
- 一旦飼い主が動物病院で治療費を全額支払う。
- 獣医師に必要書類を書いてもらう。
- 自分でも必要書類に記入する。
- 全ての領収書と一緒に保険会社に送付する。
という手続きが必要になります。
その点、アニコムとアイペットは、動物病院の窓口で保険証を提示すると、その場で飼い主の負担分のみを支払うことができる窓口清算が可能です。
この便利さがペット保険を選ぶ動機になる、という方も多いのです。そこでアニコムとアイペット、どちらがおすすめなのか比較してみました。
2社を比較する前の大前提として、あなたのかかりつけの動物病院が、アニコムやアイペットの対応動物病院である必要があります。対応動物病院でないと、窓口清算はできません。（もちろん普通に保険金の請求はできます。）
補償割合の比較
補償割合とは、「動物病院で請求された治療費の何％が補償されるのか？」を表すパーセンテージです。
アニコム、アイペット両社とも、補償割合が70%のプランと50%のプランを販売しています。
補償限度額の比較
補償限度額とは、要するに保険で支払ってもらえる金額の上限のことです。
動物病院で請求された治療費の「補償割合」の金額が「補償限度額」を越えてしまう場合、超過分は飼い主の負担になります。
補償限度額には、通院、入院、手術の「金額」にかかる制限と、「日数（手術の場合は回数）」にかかる制限があります。
またこの他に、年間いくらまで補償するというトータル金額にのみ、制限がかかるペット保険もあります。
補償割合70%のプランでの補償限度額の比較
アニコムのふぁみりぃ70%プラン
- 通院、入院の場合は1日あたり最高14,000円まで
- ただし、1年間に利用できる日数は通院、入院ともに各20日まで
- 手術の場合は1回あたり140,000円まで
- ただし、1年間に利用できる回数は2回まで
アイペットのうちの子70%プラン
- 通院の場合は1日あたり最高12,000円まで
- 入院の場合は1日あたり最高30,000円まで
- ただし、1年間に利用できる日数は通院、入院ともに各22日まで
- 手術の場合は1回あたり150,000円まで
- ただし、1年間に利用できる回数は2回まで
アイペットの入院時の補償限度額の手厚さが30,000円と際立っています。それ以外は、だいたい同じ条件です。
猫は泌尿器の病気や腎臓の病気など、治療が長引くことが多い動物です。入院はともかく、通院の日数が20日や22日に制限されていては、十分な補償を受けることができないのではないかというのが私の考えです。
補償割合50%のプランでの補償限度額の比較
アニコムのふぁみりぃ50%プラン
- 通院、入院の場合は1日あたり最高10,000円まで
- ただし、1年間に利用できる日数は通院、入院ともに各20日まで
- 手術の場合は1回あたり100,000円まで
- ただし、1年間に利用できる回数は2回まで
アイペットのうちの子50%プラン
- 通院の場合は1日あたり最高12,000円まで
- 入院の場合は1日あたり最高12,000円まで
- ただし、1年間に利用できる日数は通院、入院ともに各22日まで
- 手術の場合は1回あたり100,000円まで
- ただし、1年間に利用できる回数は2回まで
アイペットの入院時の補償限度額の有利さが無くなり、両方ともほとんど同じ条件になっています。
保険料の比較（2015年8月現在）
アニコムとアイペットの1ヶ月の保険料をプランごとに比較してみます。
アニコムのふぁみりぃ70%プラン
- 1才 3170円
- 5才 3460円
- 10才 4470円
- 12才 4750円
アイペットのうちの子70%プラン
- 1才 2830円
- 5才 3440円
- 10才 6260円
- 12才 7830円
アニコムのふぁみりぃ50%プラン
- 1才 2380円
- 5才 2590円
- 10才 3310円
- 12才 3510円
アイペットのうちの子50%プラン
- 1才 2440円
- 5才 2710円
- 10才 4740円
- 12才 5870円
このように両プランとも5才までは、それほど変わりません。しかし、猫が老齢期に差しかかる10才を超えたあたりから、アイペットの保険料が急激に値上がりします。
アニコムの保険料も、他のペット保険に比べれば割高です。そのアニコムよりも、さらに割高になっていくアイペットの保険料。私なら、いくら窓口清算が可能であっても加入しません。
ちなみに私が加入しているペッツベストは
- 補償割合80%
- 1日の限度額なし
- 入院・通院・手術の回数制限なし
- 1つの病気に対して50万円まで、年間100万円まで補償
- 保険料は5才で2470円、16才になっても3220円です。
両社とも高いシェアを誇っている
ペット保険業界において、アニコムはトップ、アイペットは2位のシェアを誇っています。
保険料がこれほど割高なのに、多くの方が加入しているのは、窓口清算できる便利さが、やはり魅力的なのでしょう。
逆に言えば、それにこだわらなければ、他に選択肢があるということです。
なお、アイペットには「うちの子ライト」という、手術給付金に特化した割安なプランがあります。シェア2位というのは、この「うちの子ライト」に加入している方が多いのではないかというのが私の感想です。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの？10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える！ペット保険加入のメリット・デメリット」
