猫がウールのような柔らかい布や毛布などをチュウチュウと吸って、気持ち良さそうにするときがあります。ゴロゴロとのどを鳴らし、前足で毛布をふみふみする「赤ちゃん返り」の行動をとることもあります。
これらの行動を私は、猫の安心感や信頼感の現れだと思って、好ましく思っていました。確かに好ましい面もあるとは思うのですが、そうでない面もあるようなのです。
「赤ちゃん返り」といえばほのぼのした感じを受けますが、同じ行動でも「ウールサッキング」といえば急に病的に聞こえます。言葉の使い方は難しいものですね。
原因は?
ウールサッキングとは猫が布を食べてしまうことです。完全に「異物誤食」ですね。便と一緒に出せれば良いのですが、腸に詰まってしまうと手術が必要なことにもなりかねません。たいへん深刻な症状です。
はっきりとした原因はわかっていません。しかし、いずれにしても精神的なことから来ているのは間違いないでしょう。
生まれて間もなく母猫から引き離されたり、離乳させられたなど、母猫から十分な愛情を注がれなかった猫は成長してもウールサッキングの行動を取ることが多いという事実があります。母親にもっとも甘えたかったというストレスや不安感がウールサッキングに繋がっているのではないかというのが、代表的な考え方です。
ウールサッキング 対策
- 繊維質の多い食餌を与えると減少する傾向が見られる。
- 食餌が不足するとウールサッキングが悪化するため常に満腹感を与えると改善が見られる傾向がある。肥満のリスクに注意。
- たくさん遊んであげる
- 特定のものだけを噛みちぎるのであれば、その対象にイヤな味や臭いを付ける(カラシや柑橘系のスプレー)。
- 猫が噛み付く対象を隠す
- 飼い主が外出中はケージに入れて、噛み付く対象から猫を隔離する
- 動物病院で精神が楽になる薬を処方してもらう
私の家で一番元気でやんちゃな雄猫がウールサッキングの行動をします。普段、元気に走り回っているだけに、母猫から十分な愛情を注がれなかったストレスや不安感を感じているのなら不憫さが募ります。たくさん、可愛がってあげようと思っています。