猫耳は好きですか?もちろん好きですよね!だってあなたは猫の飼い主ですから!(笑)
猫の耳はどうしてあんなに可愛い形をしているのでしょうか。あんなに可愛い猫の耳に、最大級の危険をもたらす病気。耳血腫(じけっしゅ)という病気のお話です。
耳血腫とはどのような病気なのか
耳血腫とは、耳介(じかい。耳のヒラヒラ)が内出血を起こし、その内部に血が貯まり、風船のようにプクッと膨れあがってしまう病気です。
耳介は皮膚と軟骨により形成されています。耳介の内部には無数の血管が張り巡らされています。(日光で透けたときなど本当にたくさん見えますね。)しかし皮膚と軟骨との接着が弱いため、内部で血管が切れ出血が起こると、その接着がはがれて、皮膚と軟骨との間に大量の血液が貯まってしまうのです。
ダニなどの外部寄生虫、外耳炎、耳の中に異物や腫瘍などがあると、猫は耳に激しいかゆみや不快感を感じます。そのために激しく頭を振ったり、耳介を後ろ足で掻きむしったりしてしまいます。その結果、内部の毛細血管が破裂して出血し、血だまりを形成して耳血腫へとつながってしまうのです。
患部を掻きむしると、二次的に細菌感染が起こり、耳血腫と同時に耳がただれてしまい膿(うみ)を持ってしまうこともよくあります。また、耳をどこかに強く打ちつけてしまうと、皮膚の内部で出血が起こり耳血腫になってしまうこともあります。人間でいうと指先にできた血豆のようなものです。
ご存知のように猫の耳は、とても薄くて繊細です。遊んでぶつけた、ケンカでかまれた、寄生虫、病気・・・耳血腫に繋がってしまう要因は普段の生活の中に溢れています。
動物病院における治療
いずれにしても動物病院での治療が必要です。
血腫が小さい場合は、患部に注射針を刺してたまった血を抜き取ります。血腫が大きい場合は、患部を切開してたまった血を排出します。注射に比べると傷口が大きいため、切開した痕を縫合し包帯で巻きつけます。
注射や切開をした後の二次感染を防ぐため、抗生物質を投与します。あとは自然治癒するまで、猫が自分の足で患部を触らないようエリザベスカラーを装着、という流れになります。
外耳炎などの病気が耳血腫の原因になっているのなら、その病気を治療して完治させないと耳血腫は何度でも再発してしまいます。
昔、私はケンカで片方の耳がちぎれてしまった猫を飼っていたことがあります。片方の耳が無くても、その猫の可愛さは変わりません。変わりませんが、やはり痛々しいです。
耳血腫を放置すると、耳が無くなってしまう事態にもなりかねません。早め早めに動物病院に連れていってあげてください。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
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