老齢になった猫が、どうしてもごはんを食べないとき、栄養を摂らせる方法があります。「胃ろうチューブ」や「食道チューブ」といって、消化器に穴を開けてチューブを通して直接体内に栄養を送り込むのです。
胃ろうチューブとは?
胃ろうチューブとは、胃に小さな口を作ることです。食欲の無い猫、食べるときにむせたりして誤嚥(食物や唾液が誤って気管に入ってしまうこと)を起こす猫、食べたいけれど食べられない猫(酷い口内炎等々)などに対して使用されています。
痛々しい治療法ではありますが
- 少しでも長生きしてもらいたい
- 栄養が摂れて、満足そうな顔を見ると嬉しい
- 痩せていたのが回復して嬉しい
といった前向きな意見が、実際に行った飼い主様から多く寄せられる治療法です。
メリットとデメリット
胃ろうチューブは、同じように直接体内に栄養を送り込む鼻チューブや食道チューブに比べて、猫にとって苦痛やストレスが少ない治療法です。
胃ろうチューブを取りつける手術も決して難しいものではありません。内視鏡を使った手術で10分位で取りつけることができます。
チューブを取りつけた後は、獣医師の指導を受けた上で、飼い主は自宅で簡単に胃ろうチューブをつかって食事を与えることができます。また猫の食欲がある日は、口から自由に食事や水を摂っても大丈夫です。
チューブを入れたあとは、「ご飯を食べてくれない」とか「薬を飲んでくれない」といった不安から解放され、飼い主にとっても猫にとってもメリットの多い治療法です。
ただし、胃ろうチューブを取りつけるには内視鏡を使用するため、麻酔が必要になります。また、チューブなどから雑菌が入ったり、傷が化膿するなどの恐れもあります。
要は抵抗力の落ちた老猫の体に危険を及ぼす可能性があります。獣医師とよく相談した上で、判断してあげてください。
胃ろうチューブ用のペットウェアもあります。
手作りのペットウェアの通販サイトで、胃ろうチューブ用のペットウェアを作ってくれるところもあります。猫が自分から出ている管(くだ)を気にしている場合には試してみると良いと思います。胃ろうチューブ専用という機能の面で、飼い主の負担軽減に役立つウェアです。
また、機能面だけでなく猫の闘病で塞ぎがちになっている飼い主の気持ちを少しでも明るくしようと、豊富な色柄からウェアを選ぶことができる心遣いも好感が持てます。
猫が老いて、自分で食べることができなくなってしまうのは見るに忍びないですよね。介護の仕方は、飼い主ごとにいろいろなケースがおありでしょう。1つの選択肢として胃ろうチューブの知識を、このページで共有したいと思った次第です。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える!ペット保険加入のメリット・デメリット」