猫のために良かれと思ってしてあげたことが、猫にとって良くない結果に繋がらないように注意する必要があります。
猫の誤嚥(ごえん)もそんなリスクの一つ。人間の赤ちゃんの場合でも「ミルクが気管に入ってしまった」というようなケースがありますよね。
このページでは誤嚥について調べてみました。
●誤嚥とは?
喉(のど)から肺まで続く空気の通り道のことを気管と言います。気管が左右の肺に枝分かれしてからは気管支と呼ばれます。
誤嚥とは、気管内に異物を誤って飲み込む、または吸い込むことです。異物と言っても、猫のおもちゃとか魚の骨とか、そういった食べ物以外のものを指しているのではありません。
普通の食べ物や飲み物でも、気管に入ってしまえば危険な異物になってしまうのです。
飲み込んだ食べ物は食道に送られるのが普通
飲み込んだ食べ物や飲み物は食道、さらには消化管に送られるのが普通ですよね。これは飲み込むという動作をスムーズに行うための、体の仕組みがあるからです。
喉(のど)の奥には、喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれるフタ状の器官があります。食べ物を飲み込むと、食道への入り口が開くと同時に、喉頭蓋がバタンと倒れることによって気管への通り道をふさいでいるのです。
また喉の粘膜はデリケートなため、異物に触れるとすぐに咳き込み、気管や肺に入らないように調節しています。
飲み込むという動作のときに、これらの仕組みがうまく働かないと、食べ物が食道ではなく気管に入ってしまって誤嚥が起こるという訳ですね。
誤嚥のリスクを伴うケース
猫のために良かれと思ってしてあげたことが、誤嚥の原因になってしまうケースがあります。
特に注意が必要なのは、次の2つのケースです。
- 赤ちゃん猫にミルクをあげるとき
- 病気の猫に薬を飲ませるとき
赤ちゃん猫にシリンジ(針の付いていない注射器)でミルクを飲ませる場合、多くの方はあおむけをイメージするのではないでしょうか?人間の赤ちゃんを抱いている姿勢ですよね。
しかしこれでは赤ちゃん猫は、ゴホゴホとミルクを喉に詰まらせてしまう危険があります。誤嚥の危険があるということですね。
お腹を床に付けたうつぶせが正しい姿勢です。
また猫に錠剤を飲ませるときに、真上を向いて口を開かせて、薬を上から落とす方法は誤嚥の危険があります。
上を向かせず、なるべく通常の状態のまま口を開かせて、舌の付け根に錠剤を落とすという方法を練習しましょう。
口で言うのは簡単ですが、実際に行うのは難しいですよね。誤嚥の危険性をしっかり認識した上で、信頼できる獣医師の指導を受けることが大切です。