猫の先祖は厳しい野生生活の中で、特に聴力を発達させてきました。その結果、犬は嗅覚の動物と呼ばれるのに対して、猫は聴覚の動物と呼ばれています。
猫の聴覚は人間のなんと10倍も優れているのです。
しかし現代の飼い猫には宝の持ち腐れ?でも、あることに利用できれば・・・
野生生活の中で発達した聴覚
猫は人間に比べると視力はかなり劣っています。0.1から0.3程度と言われています。近視なんですね。
しかしそれを補って余りある優れた聴覚を持っています。猫の聴覚は人間の10倍も優れていると言われています。
野生時代、猫の先祖は森の中で生活していました。夜になれば、現在のように電灯も街の明かりもなく、果てしなく真っ暗闇が広がっていたことでしょう。
そんな光のない世界で、木の葉の音や風の音に惑わされず、獲物の音だけを耳を澄ませて聞き分ける・・・そんな生活をしていた訳です。
聴覚がずば抜けて発達したのにも納得がいきますよね。特に高音を聞き取る能力が優れています。
低温を聞き取る能力は人間も猫も大差はないのですが、高温となると人間は猫の足元にも及びません。
人間の場合は、最高20キロヘルツの高音を聞き分けるのが限界です。犬でも40キロヘルツ。猫の場合は80キロヘルツという超音波の領域まで聞き分けられます。
これは獲物であるネズミを捕らえるために進化したという説が有力です。ネズミの鳴き声は30~90キロヘルツとかなり高音です。
そしてネズミは夜行性。真っ暗な森の中でも、ネズミの微かな鳴き声を聞き逃さずに狩りができるよう、厳しい自然環境を生き延びるための進化だったのですね。
現代の飼い猫には宝の持ち腐れ?
このように猫は物凄く優れた聴覚を持っている訳ですが、外敵も獲物もいない家の中だと言ってみれば宝の持ち腐れ。
せいぜい大好きな飼い主が帰ってくる足音を、何十メートルも先から聞きつけて、ドアの前で出迎えてくれることくらいでしょうか。(笑)
ドアを開けると出迎えてくれる猫は本当に可愛いですが、くれぐれも脱走には気をつける必要があります。
優れた聴覚をしつけに利用するのが効果的
猫の聴覚が人間の10倍ということは、突然大きな音がすると人間よりも遥かにビックリするということです。
乗ってほしくない場所に乗るなど、イタズラをストップさせたいときは、3秒以内に大きな音を出してビックリさせるのが効果的。
「ここに乗ったらイヤなことがあるからやめよう」と学習するように仕向ける訳ですね。
また、フードを入れたケースを鳴らしながら「オイデ」を言うと、ただ言葉だけで教えるよりも猫の気を引けて、オイデが成功しやすくなります。
音と結び付けてしつける。心掛けてみてはいかがでしょうか?