「白猫は病弱なことが多い」という意味のことを、ときどき耳にします。もちろん元気で長生きしている白猫はたくさんいますが。
ただ青い眼の白ネコは病弱かどうかは別にして、耳が聞こえない場合が多いと言われています。これは遺伝的なことが理由です。
もう一つ、扁平上皮がん（へんぺいじょうひがん）という皮膚がんにかかるのは、白猫が多い傾向があります。このあたりのことが「白猫は病弱なことが多い」と言われる理由なのでしょう。
ただし扁平上皮がんは白猫だけの病気ではありません。黒猫だってなる可能性はあるのです。このページでは扁平上皮がんについて調べてみました。
扁平上皮がんとは？
専門的な話になりますが、生物の皮膚は階層構造になっています。
下から線維芽細胞（せんいがさいぼう）、メラニン細胞、そして最上部にあるのが扁平上皮細胞です。
扁平上皮細胞ががん化した状態を扁平上皮がんという訳です。
できやすい場所
扁平上皮がんは、猫の白い毛の部分や毛の薄い部分にできやすいのです。鼻や耳、まぶたに多く発生します。
また皮膚以外でも扁平上皮細胞がある部位（粘膜）なら、どこでもできる可能性があります。例えば、目、口、肺などにもできることがあるのです。
特に猫の口の中の腫瘍の大半は、この扁平上皮がんと言われています。
症状は？
扁平上皮がんになった猫の写真などを見ると、重い症状の場合が多く心が痛みます。
皮膚にできた場合
最初は皮膚炎のように脱毛し、厚いかさぶたやしこりや潰瘍ができたり、治りにくい擦り傷のようになったりします。
症状が進行すると、侵された部分が腫れて潰瘍がひどくなり、出血したり膿んだりします。そして最悪の場合、がんができている部分（例えば耳）が脱落してしまうこともあります。
口の中にできた場合
舌や歯茎などにしこりができて、その部分がただれたり潰瘍ができたりして出血が見られます。
このため血の混じったネバネバとしたよだれをよく流すようになり、当然、食べ物や水が飲み込みにくい様子も見られるようになります。しこりが大きくなりすぎて口が閉じられなくなることもある程です。
原因は？
長期間、強い日光を浴び続けて紫外線の影響を受けることが、扁平上皮がんができる原因になると考えられています。
特に白い猫や白い毛の部分を持つ猫は、注意が必要です。紫外線が強い時期や時間帯に太陽の光を浴び続けたりすることがないように、飼い主が注意してあげましょう。
また、猫エイズ（猫免疫不全ウイルス感染症）などによって免疫力が低下している場合も発症しやすくなります。
たばこの煙など、大気汚染の原因となる物質も原因となります。
ペット保険で備えておきたい典型的な病気
扁平上皮がんになってしまった猫の写真を見ると、可哀想で本当に心が痛みます。耳が無くなってしまったり、眼球を摘出したり、顔が崩れてしまったり。
私たち飼い主にできることは、信頼できる動物病院でできる限りの治療を受けさせてあげることだけです。
その時に心配なのは、やはり費用の問題です。治療や手術、入院の費用に何十万円もポンッと出せる方は良いですけど、そうでない方も多いのではないでしょうか？
少なくとも私はポンと出せないと思ったからペット保険に入っています。猫が扁平上皮がんに初めてかかった場合、治療費の8割を補償してもらえるのです。
月々の保険料は2,400円くらいですが、万一のときのために払い続けています。
