ウンチを観察することで、猫の健康状態をある程度把握することができます。トイレ掃除をするたびに、気を付けて見てあげると良いですね。
このページでは、猫の便の「形状」にフォーカスして、それぞれのケースの猫の健康状態についてまとめていきます。
健康なウンチの状態とは?
健康な猫のウンチの状態は次のような感じです。
- 形は細長くコロンとしていて、いくつかにまとまっている。
- 硬すぎず柔らかすぎず、ティッシュ等に包んだ時に崩れない程度の硬さである。
- 茶色、こげ茶色が基本ですが、食べているフードによって多少異なります。
普段から猫のウンチを観察しておいて、いつもと同じような形状・色であれば健康な状態と判断できます。
しかし、何か異常があった場合は、そのままにせずに動物病院に連れていくことが大切です。
不健康なウンチの形状について
猫の体の不調は、いつもと違うウンチの「形状」として現れることが多くあります。それぞれのケースについて、まとめましたので是非参考になさってください。
猫の便がいつもより柔らかい(ゆるい)
ウンチがいつもより柔らかくなる原因は無数に考えられます。
- 腸の中に細菌やウイルスが異常に増えている
- 感染症や中毒を起こしている
- 水分の摂り過ぎ
- 腐ったものを食べた
- 冷たいものを食べた
- 穀物(炭水化物)を多く食べた
- 脂肪分の多いものを食べた
- 今まで食べたことがないものや、新しいフードにいきなり変えることによってアレルギー性の腸炎を起こしている
- 精神的なストレス
適量の食物繊維は便秘を防ぐ効能があります。しかし摂り過ぎると腸の蠕動運動が刺激されすぎて、大腸で水分が再吸収される前に便として排泄されるため、軟便や下痢の原因になります。
猫の便がいつもより固い
- 食事の量が少ない
- 肉類をたくさん食べた
- 水分摂取不足
- 食物繊維不足
- カルシウムを多く摂っている
- 消化機能に合わないフードを食べている
- 加齢などによる腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の低下によって、コロコロの硬い便が出る。
- 便秘
猫の便に膜がかかっている
柔らかいウンチが続くと、そのまま腸炎にかかることが多くなります。ウンチが柔らかいと普段より腸が働き過ぎてしまうため、腸粘膜が剥がされてウンチに膜がかかったようになります。
猫の便に異物が混じっている
猫が異物を食べてしまったとき、それが消化できないものの場合はウンチに混ざって出てくることがあります。
お腹の中に寄生虫がいる場合は、白いブツブツしたものや、白くて細長い寄生虫がウンチと一緒に出ます。
私の家で保護した野良猫も、来た当初は便が虫だらけでした。
猫の便の量
食物繊維を多く摂ると、便の量は増加します。例えば、ダイエットフードに切り替えれば便の量は増えます。
逆に動物性タンパク質(肉)主体の食餌であれば、猫は肉食ですので消化吸収しやすく、便の量は少なめです。
猫の便が細い
ウンチが細いのは、腸が圧迫されているのが原因です。直腸がんや、雄なら前立腺肥大、雌なら膣の平滑筋肉腫などの可能性もあります。
粘液便
表面に白いゼリー状の粘液が付着している便が出る場合がありあます。通常は大腸の粘液は便と混ざって排泄されますので、粘液便は大腸のトラブルが考えらます。
また寄生虫やストレスが原因のこともあります。粘液便や血便などの下痢を慢性的にくり返す場合は、炎症性腸疾患(IBD)の可能性があります。
猫の便がいつもより臭い
- いつもと違うフードを食べた
- 食べ過ぎや消化不良により、未消化の食べものがウンチに混じっている
- 穀物や脂が多いものを食べた
もともと猫は肉食で穀物の消化が苦手なのです。穀物の多い食事だと消化不良を起こして便が臭くなることがあります。
また動物性たんぱく質(肉)も与えすぎると、小腸で消化・吸収しきれず未消化物が大腸まできて、便を臭くする原因になります。
異常があればすぐに病院へ
人間でも便秘や下痢をしたときは辛いですよね。ましてや便に血が混じっていたら、自分自身の体が凄く心配になりますよね。
「大腸がんとか怖い病気だったらどうしよう・・・」
猫も同じことです。ウンチに異常が見られたら、重大な病気のサインかもしれません。放置したりせず、すぐ動物病院に連れていってあげてください。
【参考記事】当事者になったつもりで、読んでみてください。
>>「ペットの治療費ってこんなに高額なの?10万、20万は当たり前。」
>>「猫の医療費に備える!ペット保険加入のメリット・デメリット」