ある飼い主のお悩み。
3歳のオス猫を飼っています。ずっと1匹で飼っていたのですが、良い遊び相手になればと1歳のオス猫を迎えました。しかし相性が悪いのか、毎日大ゲンカ。ずっと殺伐とした雰囲気が流れています。仲良く暮らすことはできないのでしょうか?
相性を見極めるヒント
飼い主の目からは、猫同士の相性が良いか悪いか、見分けがつきにくいこともあります。見極めるポイントをまとめてみます。
良い場合
体をくっつけて寝たり、お互いになめ合ったり。積極的にいつも一緒にいるようなら相性が良いと言えるでしょう。
くっついて寝たり、お互いになめ合ったりしなくても、同じ部屋でくつろいでいるのなら、相性は悪くはないということです。一緒に外を眺めたり、一緒に食事をしたり良好な関係が築けるでしょう。
悪い場合
表面的なケンカは少なくても、どちらかが威嚇をしたり相手を避けていたり。一緒には過ごさず別々に行動しているようなら、相性はやや悪いといえます。
ただし、たとえ仲良しでなくても、お互いに無視するという形で、自然と折り合いはついていくものです。食餌の場所やトイレの場所、昼寝の場所などを、お互いに離れたところに作ってあげるなどして、できるだけ接触しないように工夫してあげます。
日常的にケンカを繰り返す猫は、本当に相性が悪いのでしょう。流血するほどの本気のケンカを繰り返すということであれば、完全に部屋を分ける、飼い主が留守の時は必ずケージに入れる、といった物理的な対策が必要になります。
ケンカを始めても、すぐに飼い主が引き離すことができるときだけケージから出す、という飼い方になりますが不可能ではありません。とはいっても、私の経験では、そこまで仲が悪い猫は今までいませんでした。
ケンカと遊び(じゃれあい)の区別
ときどき外で、発情期の野良猫のオス同士が、ものすごい鳴き声をあげながら、大けがを伴うような本気のケンカをしているのをご覧になったり、耳で聞いたりしたことがあると思います。本気のケンカは一目瞭然ですよね。
家の中で、片方が追いかけまわしたり、取っ組み合いをしたりする場合は、優勢と劣勢が入れ替わるのが遊び、入れ替わらないのがケンカ(イジメ)ということになります。この場合は、先ほど申し上げたように、できるだけ猫同士が接触しないように工夫してあげれば、折り合いをつけてくれる可能性が高いですね。
どう見ても仲が悪かった猫が、いつのころからか一緒に過ごすことが多くなったなどというのも、本当によくある話です。
年齢や性別による相性
猫同士の相性は最終的には、その猫の個性によります。ただし年齢や性別である程度の相性はあります。相性が悪いとされる組み合わせは次の2つです。
- 去勢していないオス猫同士
- 高齢猫と子猫
去勢していないオス猫同士だと、発情期になると狂暴になりケンカが絶えません。それも大きなケガにつながるような「本気」のケンカになってしまいます。家で飼うのなら、去勢手術を受けさせてあげるべきですね。
また、ゆっくりと自分のペースで過ごしたい高齢猫にとって、元気で遠慮のない子猫はストレスの原因になる可能性があります。とはいえ、この組み合わせは結構ありがちですよね。
食餌や抱っこ、お世話などあらゆる面で高齢猫を優先してあげましょう。落ち着ける場所、子猫から逃げることができる場所を確保してあげることも大切です。