毛玉対策用のキャットフードが逆効果になる場合とは?

猫のために良かれと思ってしたことが、かえって猫の体の負担になっているとしたら?そんな状況はできるだけ避けてあげたいですよね。

毛玉(ヘアボール)対策用のキャットフードを猫に与える場合にも、注意が必要なのをご存知ですか?

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毛玉(ヘアボール)対策用のキャットフードとは?

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猫は、頻繁に毛づくろいをする動物です。何と起きている時間のうち約30%を毛づくろいの時間に当てているとも言われています。

毛づくろいの一番の目的は体を清潔に保つためです。食餌のよごれやゴミ、ホコリ、さらには体表につくノミなどの寄生虫、あるいは自身の糞尿の付着などを取りのぞいているのです。

また、ストレス解消や気分転換といった心の健康を保つ工夫という面も非常に大きいです。いずれにしても、猫ほど熱心に毛づくろいをする動物も珍しいでしょう。

猫が毛づくろいのために体を舐めた際に大量の被毛を呑み込んでしまいます。飲み込んだ被毛(体内で毛玉になる。)を体外にスムーズに排出するのをサポートするために、毛玉(ヘアボール)対策用キャットフードを与えるわけです。

体の中に毛玉が溜まると食欲不振の原因になったり、毛玉を吐きだす嘔吐が多くなったり、ひどい場合は毛球症という病気になってしまうこともあります。

毛玉を便と一緒にスムーズに排出するため、食物繊維が豊富に含まれた毛玉ケアキャットフードが販売されているのです。

便秘気味の猫には負担

毛玉ケアのキャットフードには、普通のフードにくらべて2倍以上の食物繊維が含まれています。イメージ的には、豊富な食物繊維が体内の毛をからめ取って便と共に排出するという感じですね。けっして毛を「溶かす」ということではありません。毛が長い長毛種のネコや毛玉の嘔吐の回数が多い猫には、良い効果を発揮してくれるでしょう。

しかし、毛玉ケアのキャットフードには悪い点もあります。繊維質が多い事に問題があるのです。繊維質が多いキャットフードということはつまり炭水化物が多いフード、もっと言えば穀物が多いフードという事になります。

毛玉ケアキャットフードはトウモロコシや米、大豆など穀物が多くメインで使用されています。そのため、猫が本来求めている「高タンパク低炭水化物」の栄養バランスではなく、「低タンパク高炭水化物」という栄養バランスになってしまいます。炭水化物の取り過ぎは肥満の原因になってしまうのです。

また、食物繊維が多く摂る事により便の量が増える傾向があります。便秘がちな猫や、排泄機能が衰えた高齢猫に与えてしまうと、便秘の症状がかえって悪化する場合もあるのです。

飼い主自身の判断は危険

毛玉対策に限らず、歯石対策、肥満対策、PHコントロール、腎臓病サポートなど、総合栄養食のキャットフードには、さまざまな「機能」を謳ったフードが販売されています。これらのフードは短期間で効果が出る、というものではありません。ある程度、長い期間与え続けて初めて効果が表れてくるものなのです。

ですから、飼い主の判断だけで愛猫に与えるのは危険です。獣医の支持に基づいて与えるようにしたほうが良いですね。


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