ネットを見ていると、「ビートパルプが入っているフードは猫に与えてはいけない、と獣医さんに言われた」という書き込みを見つけました。
ビートパルプとは何なのか?なぜ、猫の体に悪いのか?調べてみました。
ビートパルプとは?
砂糖の原料には、大別すると「ビート」と「さとうきび」があります。
ビートは甜菜(てんさい)、あるいはサトウダイコンとも呼ばれ、日本では北海道で栽培されています。麦・大豆・じゃがいもなどと一緒に、北海道の畑作農業の基幹作物として位置付けられているのです。
ビートは光合成の作用で、その根の部分に糖分を蓄積します。この糖分が砂糖を作る素になるのです。
ビートパルプとは、ビートから糖分を絞りだした後に残る繊維質の事です。北海道では、このビートパルプは家畜の飼料として有効に利用されています。
適正量のビートパルプは、腸内善玉菌に対して、栄養と住まいを提供してくれるという性質をもっています。このように、ビートパルプとは本来、動物の健康のために役立つものなのです。
粗悪なビートパルプの存在
ビートパルプには「粗悪品」が存在します。
より効率よく糖分を抽出するために、硫酸系の薬剤を使って溶かしてしまうのです。こうすることによって、圧力をかけて絞り出す従来の方法よりも、何倍も沢山糖分を取り出すことができます。
このようにしてできた粗悪なビートパルプがキャットフードに使用されていることが非常に多いのです。使用された硫酸系の薬剤はビートパルプに残留して、便の排出を促す神経伝達を混乱させるという特徴があります。人為的に「便秘」の状態を作り出しているのです。
腸内に長い時間留まった便は、大腸で水分の再吸収が進むので、コチコチの便になります。
水分に含まれるアンモニア臭も軽減できます。つまり「処理が楽な便」になるという訳です。そうでなくても、猫は便秘になりやすい動物です。人間の都合によって、わざと便秘の状態にさせられているのなら、こんな酷い話はありません。
キャットフードにビートパルプが使用されるもう一つの理由は、「かさ増し」ができるということです。少しでも原料費を抑えたい、安くあげたい、ということですね。残念ながら、キャットフードに使われているビートパルプは、粗悪品がほとんどです。猫のためには、避けてあげた方がいいですね。