老猫の健康を保つためには、若いころとは違った栄養食が必要になってきます。そのあたりは人間も猫も同じということですね。どのような食事を与えれば良いのか調べてみました。
老猫にはどんな栄養食が必要なのか?
まず気を付けることは、高齢になると歯が抜けたり弱ってきたりするので硬い食べ物が苦手になります。また、内臓の働きも悪くなりますので、消化吸収能力が落ち、代謝も悪くなります。
老猫の食べ物の理想は、柔らかくて消化が良くて栄養価の高いものということになります。とはいえ栄養価の高い食べ物は、与えすぎると肥満につながってしまいます。過ぎたるは及ばざるがごとし、食べ過ぎには注意ということですね。
肥満はさまざまな病気の原因になりますし、ただでさえ動くのが億劫な老猫がさらに動かなくなってしまいます。また、脳や神経の衰えから自分で食事量を加減するということができなくなり、与えれば与えるだけ食べてしまうという場合もありますので、注意が必要です。
意識すべき4つの栄養素
老猫の栄養食を考える上で、意識すべき栄養素はタンパク質、炭水化物、ビタミン、カルシウムの4つになります。
タンパク質
いくら消化が良くて栄養価が高いからといって、タンパク質の与えすぎは腎臓に負担がかかってしまいます。良質のタンパク質を少量ずつ、あとは炭水化物と脂肪を少量ずつ与えてエネルギーを補っていきます。
良質のタンパク質を摂るためには、例えば鶏の胸肉や手羽、牛のレバー、アジやカレイやヒラメなどの白身魚、卵などを与えます。
タンパク質を構成しているアミノ酸は動物性食物と植物性食物とでは種類が違います。猫は肉食動物ですので、当然、動物性食物に含まれるアミノ酸が欠かせません。
特に猫に必須のタウリンというアミノ酸は、植物には含まれていません。動物性タンパク質が少ないとタウリンの欠乏症を起こしてしまいます。
また赤身の魚(マグロの赤身など)や青魚(アジ、イワシ、サバ、サンマなど)は、肉よりタンパク質が少ない傾向があります。与えすぎるとビタミンE不足により、「黄色脂肪症」という病気にかかる恐れがあります。
炭水化物
炭水化物といえば、お米かパンですよね。お米はパンに比べて消化吸収しやすく、塩分も少ないので老猫に向いていると言えます。しかし、穀物の摂りすぎは肉食動物である猫の消化器官にとっては負担になってしまいます。炊いたり、おかゆにしたものを少量ずつ与えてあげましょう。
ビタミン
猫用に市販されているビタミン剤があります。ビタミン補給には有効な方法です。老化のもととなる活性酸素の働きを抑制するビタミンEや、タンパク質や脂肪の代謝を助けるビタミンBが特に大切です。
カルシウム
カルシウム補給はもちろん必要ですが、与えすぎは逆効果です。与えすぎは便秘の原因になったり、慢性腎不全の病状の進行につながってしまう場合があります。細かく砕いたにぼしやカッテージチーズなどを少量与えてあげましょう。