ポインセチアやシクラメンといった観葉植物、美しい花を咲かせるユリ類やアジサイといった私たちの目を楽しませてくれる草花が、意外にも猫にとっては危険な植物だということをご存じでしょうか?猫は本当になんでも口に入れてしまいます。私たちにとっては癒しとなる観葉植物や花も猫にとっては中毒の危険性があり、注意が必要です。
危険な観葉植物の例
猫が食べると危険な観葉植物は200種類以上あると言われています。ここでは、その中から特に私たちに馴染みのある花を挙げていきます。きっと「エッ?この花まで!」と思われることでしょう。
スイセン
ついつい飾りたくなる綺麗なスイセンですが、猫が食べると嘔吐、腹痛を引き起こす危険があります。
アサガオ
見るだけでうっとりさせてくれるアサガオですが、猫が食べると幻覚を起こしてしまう危険があります。
ジンチョウゲ
花と葉っぱに要注意。有毒成分のダフネチンが嘔吐や腹痛、口内の炎症を招きます。
すずらん
可憐でかわいいすずらんも、実は大変危険な花です。活けておいた水も要注意!有毒成分コンバラトキシンは、腹痛や下痢、不整脈や心不全を引き起こし、最悪の場合は猫が亡くなってしまう可能性があります。とにかく要注意です。
ポインセチア
クリスマスシーズンをもりあげるポインセチアですが、猫にとって危険な植物です。猫の目に入らない場所に飾りましょう。
ヒヤシンス
ヒヤシンスの球根は嘔吐を招きます。
ツツジ
4月に咲くおなじみのツツジですが葉っぱに含まれるグラヤノトキシンは嘔吐、筋力低下、痙攣などを引き起こします。
シクラメン
プレゼントなどでも人気のシクラメンですが、猫にとってはたいへん危険な植物です。少量でも口にすると嘔吐や下痢、胃腸炎を起こす可能性があります。万一多量に食べてしまうと、けいれんなどの神経症状を引き起こし、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。
ユリ
ユリ系の花は、猫にとって危険度最大級レベルです。よく花束に使われているユリは胃腸障害をはじめ、腎臓や心臓などにも障害を起こして呼吸困難や手足のしびれが見られ全身麻痺などで亡くなるケースもあり、とても危険です。
あじさい
嘔吐や呼吸困難などの危険があります。食べてしまった場合は即病院へいきましょう。
ジャスミン
香りのよいジャスミンですが、猫にとって大変危険です。
月桂樹
月桂樹は腹痛、嘔吐などを引き起こします。
ベコニア
艶やかなベコニアも、猫にとっては危険!口やのど、食道などに刺激を与えてしまいます。
シャクヤク
「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」でおなじみのシャクヤクも猫にとっては危険な植物。同属の牡丹も皮膚の炎症などを引き起こす危険もあります。百合の花は、猫にとって最大級の危険植物です。ことわざの中の三つの花はすべて猫にとって危険な植物になります。
私たち飼い主にできること
まず一番良いのは、家に植物を置かないことです。しかし、どうしても置きたい、という方もいることでしょう。
その場合は、猫が絶対に出入りしない部屋を作るとか、空中に吊るすとか、対策をすることが大切です。たかが花、と思って甘く見ないことです。
万が一、植物が室内に散らばっていて食べた形跡があるときは要注意です。おなかを痛そうに丸めてじっとしていたり、口のまわりに白い泡がついていたり、よだれが多いとき、また嘔吐、下痢がみられるようなときは、中毒を起こしている危険性があります。
ひどい場合はぐったりしていたり、ひきつけや痙攣を起こすことがあります。ふらふらしてまっすぐ歩くことができなくなったり、ボーっとして名前を呼んでも触っても反応が鈍い場合は緊急を要します。
一刻も早く動物病院へ連れていってあげてください。その際は、食べたと思われる植物を一緒に持って行くと獣医師にも状況がすぐに伝わります。