リオオリンピックも熱狂のうちに終わりました。人類の極限の身体能力を堪能させて頂きました。
身体能力といえば、うちでいつも寝ている猫。猫の身体能力って人ではあり得ないくらい凄いって知ってました?
このページでは猫の走力と跳躍力にフォーカスして書いていきます。
実は凄い猫の身体能力
猫は野生時代、群れではなく単独で行動していました。自分で狩りをして、身を守る必要がありました。そんな厳しい環境を生き抜くために、猫の身体能力は人以上に発達したのです。
狩りの必要のない現代のイエネコも野生で培った骨格や筋肉は生まれつき備わっているので、野生時代と同じ動きができる訳です。
走力
世界で一番足の速い動物は、ご存知チーターですね。スタートから2秒で時速72km/hに達し、3秒前後で100km/hに到達。最高時速は113km/hにもなります。
物凄い加速性能とスピードですよね。とても「生身の体」とは思えません。チーターはネコ科の動物。私の家の猫も、あなたの家の猫もチーターの親戚なんですね。
家では寝てばっかりいる猫ですが、チーターのように筋肉が柔らかく、背骨には柔軟性があり高い瞬発力と跳躍力を持っているのです。
猫が本気で走ると時速47km/hというスピードを出すことができます。これは競技用の自転車を全速力で漕いだ時くらいのスピードになります。
あの人類最速の男ウサイン・ボルトでも、本気で走る猫には追い付けないのです。ある特定の猫の種類だけが可能という話ではなく、あまり太り過ぎていない一般的な体格の猫ならば平均して時速47km/hは出せるのです。
つまりウチの猫も、あなたの家の猫もボルトより速いんですね。凄いですよねぇ。
なぜ可能なのか?
猫の後ろ足の肘のように曲がっている部分はかかとだって知ってました?つまり猫は常につま先立ちで歩いているのです。
かかとを地面につけずにつま先立ちで歩くことで、より早く足を地面から離すことができます。このようにいつでも全速力で走れるように、常につま先立ちで準備しているんですね。
そして、いざ走り始めると
- 両後ろ足で地面を蹴ると同時に、背を伸ばして大きく前へジャンプ
- 前足で着地すると同時に背を丸めて力をため、後ろ足を着地点よりも前へ運んで次のジャンプの準備をする
という走り方をします。背骨を大きく曲げて伸ばすような動きをし、背中の筋肉をバネのように動かして前足と後ろ足を大きく開きます。そうすることで歩幅が広く取れ、高い跳躍力や推進力が生み出されていくのです。
跳躍力
次は猫の跳躍力についてです。ジャンプ力といっても良いですね。
人間の跳躍力は一流のスポーツ選手でも助走無しで110cm~125cmが限界。まぁ1mとちょっとですね。
猫は平均170cm、運動神経が良い猫なら2m以上跳ぶことができます。170cmというと猫の体長の約5倍。これは人間に置き換えると、だいたいビルの2階くらいに相当します。
もし人間が猫と同じ力でジャンプできたら、2階建ての住宅くらいであれば「階段」という物の存在が消えるかもしれませんね。
なぜ可能なのか?
猫は前足に比べて後ろ足が長く、歩くときは後ろ足が曲がっていますよね?あれが跳躍力の秘訣です。
- 後ろ足の膝を深く曲げて、姿勢を低くする。
- 深く曲げた後ろ足を一気に伸ばしてジャンプ。
発達した後ろ足の筋肉をフルに使って、強力なバネの効果を生み出し大ジャンプを可能にしているのです。
猫は元々森の中で獲物を狩って生活するハンターでした。俊敏にジャンプできないと森の中では生き残れません。また敵から逃げる際にもジャンプ力は必要不可欠でした。
その特徴は現代のイエネコにもしっかり受け継がれているのです。
着地も得意
また猫は高いところから着地する能力も優れています。足の靭帯(じんたい)や腱(けん)が強く、平衡感覚を司る三半規管も発達しています。たとえ背中から落ちても、猫が足から着地できるのはこのためです。
また足の骨の関節と肉球がやわらかく、着地の際の衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。そのおかげで猫は、足の骨折や捻挫などを防ぐことができるのです。
優れた跳躍力があっても、高いところから落ちてケガをしていたら自然界で生き残るのは難しかったでしょう。プニプニの肉球は飼い主を癒やすためだけにあるのではなかったのですね(笑)。