ミツバチは人間の健康増進のために効果があるものを、たくさん作り出してくれます。例えば、ハチミツやローヤルゼリー。プロポリスもそのひとつです。
猫の口内炎の症状の緩和や、外傷の治療用に動物病院で処方されることも多いプロポリス。詳しく調べてみました。
プロポリスとは?
プロポリスの役割を一言で表すと「抗菌作用」になります。細菌の増殖を阻止したり死滅させる効果がある、ということですね。
プロポリスはミツバチが巣を無菌状態に保つために使われているのです。詳しく見ていきましょう。
どうやってできるの?
ミツバチは、さまざまな樹木から集めてきた樹液や樹脂を唾液とともに噛み続け、ワックス状の物質を作ります。この物質を元にしてプロポリスを作り出すのです。
ミツバチはプロポリスを使って巣の補修などを行います。
- 入口や巣の中の通り道に使うことによって、通路を狭くして外敵の侵入を防ぐ。
- 巣の内部を一定温度に保つ。
- 巣の内部をなめらかにする。
といったいろいろな目的があります。しかし一番大きな目的は、巣を無菌状態に保つことです。
無菌状態って?
樹液には、木自身を守るための抗菌力があります。それを元に作り出されたプロポリスにも優れた抗菌作用がある訳です。
例えば、巣に外敵が侵入した場合。ミツバチ達は蜂毒で敵を殺し、力を合わせて死骸を巣の外に運び出します。しかし死骸が大きくて外に運ぶのが不可能な場合、その死骸をプロポリスで覆うのです。プロポリスで覆われた死骸は腐敗せずにミイラ化され、無菌状態が保たれます。
また、巣の出入り口にプロポリスを塗り、ミツバチ1匹がやっと通れるような狭くて長いトンネルを作ります。トンネル内は常に新しいプロポリスが塗られます。外から帰ってきたミツバチ自身の体をプロポリスと接触させることによって、有害菌の滅菌を行う訳です。
自分たちの命を守っている
一つの巣箱内には多いときで5万匹のミツバチが集団生活をしています。巣内で有害菌が繁殖すると、その5万匹が全滅してしまいます。プロポリスで巣と自分たちの命を守っているのですね。
ミツバチは人類誕生のずっと以前から、このような集団生活をしていました。プロポリスは文字通り、自然の叡智なのです。プロポリスの抗菌作用と細胞活性化作用は、人間の健康増進のために活用されてきました。
猫に与えても嬉しい効果が!
例えば猫が肉球にケガをしてしまうことがあります。肉球にケガをすると、患部が痛々しく化膿することもしばしば。
このようなときに、プロポリスのクリームを塗ってあげると効果があります。傷ついた肉球を無菌状態にして、傷の状態を改善させる訳ですね。
プロポリスが効くのは外傷だけではありません。体の中に取り入れても大きな効果が見込めます。
消化経路内で、プロポリスの抗菌力が発揮されれば、抗原を撃退することができますので、消化能力の改善が期待できます。消化能力が改善されれば、アレルギーにも効果がありますし、病気の回復や免疫力のアップにも繋がっていきます。
動物病院で処方されるペット用プロポリスは、猫エイズの症状の緩和、口内炎の改善などにその効果が期待されています。