痛そうに足を引きずって歩いている猫がいます。飼い主が病院に連れて行くと「関節炎」と診断されました。
獣医師に処方されたのは、炎症止めの薬とサメ軟骨のサプリメントでした。サメ軟骨に含まれるコンドロイチンという成分が関節炎に効果がある、とのこと。
サメ軟骨について詳しく調べてみました。
サメ軟骨の効果・効用
私はあまり知らなかったのですが・・・サメは昔から「捨てるところがない」というくらい有効活用されてきました。
- 肉は煮たり焼いたりして食用に。また、ちくわやかまぼこなどの原料に。
- ヒレは中華料理に高級食材として有名なフカヒレに。
- 肝油はビタミンAの補給源として。
- 皮は財布やベルトなどに。また、サンドペーパーとしても。
そして今、注目を集めているのが、サメの軟骨の主成分であるコンドロイチンです。テレビのCMなどでも、最近目にすることが多いですよね。
コンドロイチンとは?
猫も人間も関節の仕組みは同じです。
骨と骨の連結部である関節は、「軟骨」というやわらかい骨で裏打ちされ、軟骨と軟骨の隙間を「関節液」が満たし、なめらかな動きを生み出しています。この関節液は、関節に力が加わるたびに軟骨からしみ出るようにできています。
軟骨の中で、関節液を大量に包み込んでいるのがコンドロイチンなのです。コンドロイチンには皮膚や軟骨の水分を保ち、クッション性を高めるはたらきがあります。
老化とともに減少するコンドロイチン
残念ながら老化に伴って体内で合成されるコンドロイチンの量は減っていきます。軟骨中のコンドロイチンが減少し、軟骨どうしが触れ合うようになり、次第にすり減り、やがて骨どうしがぶつかり痛みを感じるようになります。
このような関節炎の痛みの緩和や予防のために積極的にコンドロイチンを補給する必要がある訳です。毎日の食事できちんと補いたいのですが、一般的な食材に含まれる量は少なく、化学的合成も難しいため、コンドロイチンを配合したサプリメントが注目を集めています。その代表例がサメ軟骨サプリメントなのです。
ポイントは「ムコ多糖」
サメは極めて高い生命力を持っています。ケガをしてもすぐに治り、ガンや感染症などの病気にもかかりにくいと言われています。サンマやイワシなど、ほとんどの魚が硬骨魚なのに対して、サメは軟骨で体を支えている軟骨魚です。
サメ軟骨にはコラーゲンなどのタンパク質やカルシウムの他に、「ムコ多糖」という成分が含まれています。
ムコ多糖は一般的にネバネバ物質と呼ばれているもので、免疫力を高め、ガン、関節炎、成人病、老化防止などに効果があるといわれています。このムコ多糖の中に含まれる代表的な成分が、コンドロイチンなのです。
サメ軟骨には関節炎に効くサプリメントとしての他に、ガンを患った猫に与えるサプリメントとしての側面があります。このことについては別ページで書いていきます。