尿路結石ができやすい猫のためのサプリメントとして、ロイヤルカナンのDL-メチオニン・タブが有名です。動物病院で進められるケースも多いですし、良い口コミもたくさんあります。
ただ、聞きなれない「メチオニン」を家の猫に飲ませるのは、少し心配ですよね。副作用とか大丈夫なんでしょうか?
メチオニンの働き
メチオニンという成分は、尿を酸性化させる働きがあります。酸性やアルカリ性という言葉は聞いたことがあると思います。水溶液の性質ですね。
例えばレモンのしぼり汁は酸性、せっけん水はアルカリ性といった具合です。酸性とアルカリ性のちょうど中間の性質が中性ということになります。
で、猫の尿路結石の話ですが、結石には2種類あります。
- ストルバイト結石
- シュウ酸カルシウム結石
ストルバイト結石は、猫の尿がアルカリ性になるとできやすく、酸性になると溶けやすくなります。シュウ酸カルシウム結石はその逆で、酸性になるとできやすくなります。
メチオニンは尿を酸性化させる働きがありますので、ストルバイト結石を溶かしたり、予防したりできるわけです。
与えすぎはかえって危険
どんな薬やサプリメントにも言えることですが、与えすぎはかえって危険です。メチオニンも与えすぎると、次のような副作用が起こる可能性があります。
- 尿の酸性度が高まりすぎて、シュウ酸カルシウム結石ができやすくなる。
- 尿だけでなく、血液の酸性度が高くなりすぎる。
2番目の、血液の酸性度が高くなりすぎた状態を、難しい専門用語になりますが「代謝性アシドーシス」といいます。この状態になると、例えば・・・
- ぐったりして元気がない
- 嘔吐
- 過呼吸
- 貧血
- 昏倒
といった症状が現れます。
ストルバイト結石が尿道に詰まってオシッコが出なくなってしまい、DL-メチオニンの投与を受けていた猫が、極度の貧血によって亡くなってしまったという症例もあります。
ネットで簡単に手に入る
ロイヤルカナンのDL-メチオニン・タブは、例えば楽天などで簡単に購入できます。「尿を酸性化しさえすれば猫を結石から守ってあげられる」といった素人考えで、やみくもに与えてしまうことが、どれほど危険なことかお分かりいただけると思います。
メチオニンに限らず、薬やサプリメントを与えるときは、獣医師に相談して、その指示に従って与えるのが大前提ですね。