「猫はこたつで丸くなる。」なんて言いますよね。寒い冬は猫に少しでも暖かく過ごさせてあげたい、というのが飼い主の思いです。
しかし一つだけ絶対に気を付けてあげなくてはいけないことがあります。それは低温やけど。
猫のためにと思ってやってあげたことが、かえって猫を苦しめる結果にならないようにしなくてはいけません。
そもそも低温やけどとは?
低温やけどとは、比較的低い温度のものに長時間触れ続けることで起こるやけどのことです。
具体的には、44℃の暖房器具に約6~10時間触れ続けることによって低温やけどを発症します。
猫の体温は38度程ですが、これより温度の高いものに触れるときは、必ず低温やけどに注意してあげなくてはいけないということですね。
猫は低温やけどをしやすい動物
動物病院でも冬場は、通常のやけどをした猫よりも、むしろ低温やけどをした猫が連れてこられるケースが多いそうです。
猫は体温維持のために元からフサフサした被毛を持っています。また冬はさらに強化されて冬毛に生え変わります。
厚い冬毛のおかげで寒さを感じにくくなるというメリットがある一方、重症になるまで低温やけどに気が付かないというデメリットもある訳ですね。
特に誰もいない留守中などに、寝返りも打たずに同じ姿勢で長時間静かに眠るような環境にいる猫や、体の自由が効きにくくなった高齢猫などは低温やけどの危険性が高まります。
重い症状に陥ることも
通常のやけどの場合は、熱源に触れたとき「熱い!」という感覚によって体の防御反応が働き、すぐに離れることができますよね。
ですが、低温やけどの場合はやけどを起こしていることに気が付かないため、熱源に触れたままジワジワとやけどが進行してしまいます。ですから通常のやけどよりも治りが悪く、痛みが長期化する傾向があります。
軽症の場合は、皮膚が赤くなってヒリヒリと痛みを感じる程度。猫の場合は被毛が邪魔をして飼い主が気が付かないケースも多くあります。
中度になってくると水ぶくれや腫れ、脱毛、炎症を起こした部分がジュクジュクするといった症状が出てきます。
そして重度になると色が紫や黒に変色し、皮膚がむけて壊死してしまうことまであるのです。
対処法
もちろん動物病院に連れていってあげることが大前提です。しかし、動物病院に到着するまでに時間がかかりますよね。
その間は人間のやけどと同様に、とにかく冷やしてあげることが大切です。水を怖がらないなら、お風呂場などで患部に水をかけて、できるだけ熱を逃がしてやります。
そしてビニール袋に氷水を入れて、タオルでくるんでから患部に当てます。できるだけ長い時間、目安としては30分以上当ててあげたいところです。
市販の薬や軟膏などは、かえって逆効果になるリスクがありますから使わないようにしましょう。
まとめ
ホットカーペットにしても、カイロや湯たんぽにしても、猫の寒さ対策に使う場合は直接触れさせないようにすることが大切です。毛布や厚めのタオルケットなどで2重3重にガードしてあげましょう。
特に高齢猫や病気の猫、子猫などは同じ姿勢で寝ている時間が多いので気を配ってあげることが大切ですね。
低温やけどは症状が軽く見えても、皮膚の内部にダメージを受けている場合もあります。必ず動物病院に連れていってあげてくださいね。
そのようなときにペット保険に加入していると、費用の面でグッと気が楽になりますよ。ちなみに私が入っている保険は、月々2,500円程の保険料で猫の治療費の8割を負担してもらえます。