「地域猫」とは、飼い主がいない猫で、かつその猫が住みつく地域の猫好きな複数の住民たちの協力によって世話され、管理されている猫のことです。そして、ここが重要なのですが、「ただ餌をもらっているだけの猫は含まれない」のです。
私は地域猫という活動があることを最近知って、素直に素晴らしい取り組みだなと思いました。しかし、調べていくうちに課題が山積していることも分かってきました。
特に、野良猫に餌をやるだけの行為は、結局猫たちのためにならない無責任な行為だということを知って、私自身大いに反省しているところです。
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「ただ餌をやるだけ」では何の解決にもならない
地域猫の活動を理解するためには、まず野良猫に「ただ餌をやるだけ」の行為の弊害を知らなければなりません。
- 住宅地の目立つところに餌をやりっぱなしにする
- 野良猫が繁殖して増加する
- 糞尿が増えるなどの問題が激増、役所への苦情電話が増える
- 野良猫の虐待につながる
私は地域猫の活動を知ることによって、野良猫に「ただ餌をやるだけ」の行為は何の解決にもならないばかりでなく、却って猫たちのためにならないことを知って大いに反省 しているところです。
地域猫という言葉とシステムが生まれたのは横浜市磯子区です。磯子区では野良猫を排除するのではなく、野良猫と住民が共生する方策はないか模索しました。以下に、磯子区方式で地域猫と認められるための条件を挙げてみます。
地域猫の考え方
- まず今飼っている猫を野良猫化しないようにすること。（捨てない）
- すでに住みついて人々から餌をもらって生活している野良猫は、地域住民が適切に飼育管理することによって地域猫と位置づける。
- 彼らを飼育責任の所在が明らかな猫へと移行させていき、その結果として野良猫を減らしていく。
地域猫の飼育管理について
- 飼育管理にあたる者はなるべくグループで活動し、責任の所在を明らかにして周辺住民の理解を求める。
- 餌は決められた場所・時間に食べきれるだけの量を与え、食べ残しはすぐに片づけて清掃を実施し、つねに清潔を心がける。
- 餌は水は健康維持を考えて十分に配慮する。
- 餌を与える場所の周辺には猫用のトイレを用意し、猫が使用した後は必ず始末する。
- 猫用トイレ以外の場所のフンも、餌を与えて結果として片づけるように心がける。
- 爪とぎのために、爪とぎ板になるもの（ジュータンを裏返したものなどでもよい）を用意するよう心がける。
地域猫の健康管理について
- 必ず不妊・去勢手術を実施して、首輪などの目印を付けて終生世話をする。
- 手術については、必要な場合は保健所などに問い合わせて助言を求める。
- 猫が病気やケガをした場合は、獣医師などと相談する。
- 健康保持のために必要なことを行う。
その他
- 猫の侵入が好ましくない場所には、侵入防止の工夫をする。
地域猫活動の課題
磯子区の活動はある程度の成果があったようです。東京都はじめ他の自治体にも広がりも見せています。
ただ課題も山積しています。地域猫というシステムが周知されると、地域猫という言葉だけが独り歩きして「ただ餌をやるだけ」の無責任な人間をかえって増やしてしまうという現実があります。その一方で、それこそ身銭を切って懸命に活動に取り組んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
私自身、「ただ餌をやるだけ」の無責任さを十分理解しました。少しでもこの活動に正しい形で参加していければ良いなと思っています。
