今回の熊本地震のような大きな災害が起こってしまったとき、その地域で生活なさっている人たちが直面する困難や心痛の大きさを思うと、言葉も見つかりません。
同時に、私のような動物好きな人間は、飼われていた猫や犬たちのことを、どうしても考えてしまいます。行方がわからなくなってしまったペットたちも多くいるだろうと思うと、心が痛みます。
このページでは普段からできる猫の防災対策について考えてみます。
ペットは避難所に入れてもらえない
今回、被災地では、ほとんどの避難所でペットは入れてもらえません。それどころか、被災したペットのための救援物資の受け入れも、現在停止しているという状況。全国から大量のペットフードが送られてきているのですが、人間優先で動物にまで手が回らないということなのですね。
NPO法人がペット連れの被災者専用の大型テントを開設したり、動物病院が受け入れたりといった動きはあるものの、まったく足りないというのが現実です。
ペットと一緒に長期の車中泊になる場合も・・・
このような事情で、ペットと一緒に車中泊する方も多くなる一方です。
「建物内にペットを連れ込めないので、仕方なく車で一緒に過ごしている。熟睡できず疲れはたまる一方だけど、ペットも大切な家族。見捨てられない」という飼い主の声。
私が同じ立場でも、猫たちと車で過ごすと思います。見捨てるなんて考えられません。ただ、車中泊にしても、避難所に入れてもらえたとしても、問題は山積していますよね。
- 猫の食事の問題
- トイレの問題
- 健康の問題
- 暑さ・寒さの問題 等々
狭い日本です。どこに住んでいようと今回の震災は、本当に他人ごとではありません。普段から猫の防災対策をシミュレーションして準備しておく必要があります。
防災対策の準備
猫の防災対策として食事、トイレ、脱走防止について考えてみましょう。
フードと水の備蓄
地震に備えて準備しようと考えると、大げさになってかえって実行が難しくなります。普段のフードの買い方を工夫してみましょう。
いつも無くなるギリギリになって買うのであれば、そのサイクルを少し速くして、未開封のフードが常にストックされている状態を心掛けます。ウェットフードもケース買いして、1ケース分はストックされてるようにしておくと良いですね。
また、ミネラルウォーターをストックする場合は、水の「硬度」に注意する必要があります。
硬度が高い(硬水)ミネラルを多く含んだ水を猫に多く与えると、結石ができる原因になりやすいためです。
軟水を選んであげましょう。具体的にはコカコーラから出ている「森の水だより」や「い・ろ・は・す」といったものです。値段も手ごろでどこのスーパーにも置いてあります。
トイレ
猫は神経質ですから、できればいつも使っているトイレを避難先に持っていければいいのですが、大きいので難しいですよね。段ボールにいつも使っている猫砂をいれて、防水のためにビニール袋で覆えば代用できます。
箱がなくても、大き目のゴミ袋に猫砂を入れれば何とか用は足せるでしょう。大切なのはいつも使っている猫砂、そして排泄物を処理するためのビニール袋ですね。ビニール袋は大量に必要になります。
消臭剤
ペット可の避難所に入れてもらえたとしても、猫といっしょに車中泊になったとしても、臭いの問題は必ず出てきます。フードの臭いや排泄の臭いを軽減することができれば、それだけでもずいぶん楽になるでしょう。
100%植物由来で猫に使っても安心、尚且つ消臭効果が高いこの消臭剤はオススメです。
脱走防止対策
フード、水、トイレと見てきましたが、もう一つ忘れてはいけないのが脱走防止対策です。一番大切なことと言ってもいいでしょう。
まず非常時に、猫の身柄を確保したいときに役立つのが洗濯ネットです。洗濯ネットにさえ入れてしまえば、とりあえず猫が走り去る危険は防ぐことができます。窒息の心配もありません。
キャリーバッグやケージは、持ち運ぶことが前提ですから、小型で頑丈な作りのものが求められます。ケージから出すときのために、ハーネスとリードも必要です。ハーネスとリードを付けたままケージに入れて、リードの持ち手の部分だけケージから出しておくと安心してケージから出し入れできます。
このあたりのことは非常時に急にやるといっても難しいでしょう。普段からある程度、練習して慣れておく必要がありますね。
自分の地域の避難所の確認
あなたはもし災害が発生したとき、自分の地域の避難先をご存知ですか?ペット同伴で受け入れてくれるのかどうかも含めて、市役所などに問い合わせて知っておく必要があります。避難所に猫を連れて行くことができないとなると、別の方法を探さなければなりません。
- 動物病院
- ペットホテル
- 猫好きな知人や親せきに預かってもらえないか
- 車中泊
動物病院やペットホテルに預けるとなると、相応の費用が掛かります。試算しておいた方がいいですね。知人や親せきにしても、あらかじめ話しておくべきでしょう。
以上のようなことを普段から心掛けて、できることから準備しておくと、いざというときに猫のためにしてあげられることが増えるのではないでしょうか?